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投稿日: 2018.12.30 11:00
更新日: 2018.12.30 12:22

【F1座談会企画(3)ライコネン&アロンソ編】絶大な人気を誇るドライバーの悲劇と裏事情。アロンソF1復帰の可能性


F1 | 【F1座談会企画(3)ライコネン&アロンソ編】絶大な人気を誇るドライバーの悲劇と裏事情。アロンソF1復帰の可能性

──イタリアGPの前に、ライコネンへ2019年の契約しない旨を伝えていたことには驚きましたが、どうしてフェラーリの地元レースを前にしてそのようなことになったのでしょうか?

尾張「これもマウリツィオ・アリバベーネ(チーム代表)の人の良さだと思うけれど、ライコネンの今後のことを考えて、彼が少しでも早く将来のために動けるように木曜日に伝えたのだと思う。だけど、それがチームにとっては仇となってしまった。そういうことを考えると、2019年はもう少しうまくやれるとは思うけれど、アリバベーネにはマッティア・ビノット(テクニカルディレクター)とのごたごたがあるからわからない」

柴田「フェラーリのマネージメントは、メルセデスと比べるとレベルが低い。やっぱりジャン・トッド(元フェラーリのチーム代表で、現在はFIA会長)は偉大だったなと思う。もしフェラーリがイタリアGPで勝っていたら、全然展開は違っていたでしょうね」

──フェラーリの今後の課題は、マネージメント面ですね。

尾張「ドイツGPでは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)は『直線でフェラーリよりも0.3秒遅い』と言ったのに、トト・ウォルフ(チーム代表)は『いや、0.5秒だ』とハミルトンよりも大きな数字を言って、彼を守ってあげていた。これはもう、本当にトトの人柄。あのチームはイギリスのチームだけど、オーストリア人のトトがひとり上に立って、チームを見ている」

柴田「ロズベルグとハミルトンが揉めていた時も、トトはゲルマン系だけど(ドイツ人のロズベルグを贔屓することなく)すごく公平にやっていた。何か揉め事があると、彼はできるだけメディアに対して情報を出そうとする。それがフェラーリとは全然違うところ。フェラーリはそういうものを隠すから。もし2019年のフェラーリでベッテルとルクレールが揉めたりしたら、アリバベーネは絶対に収拾がつかなくなるだろうね」

──アリバベーネ代表は、囲み会見をしないんですよね?

尾張「以前は必ず囲み会見があったけれど、2016年からなくなった。だからアリバベーネのコメントを拾う方法は、プレスリリースか、イタリア人記者とアリバベーネの立ち話の内容を教えてもらうくらい。彼と話せる記者は3人くらいだし、メディアとしてそれって『どうなの?』と思うけれど、イギリス人記者ですら見て見ぬふりをして、イタリア人から話を聞いている」

柴田「きっかけはあったんだっけ? 囲み会見は突然なくなったんだよね。それに冬のオフシーズンのテストでもフェラーリだけ一切、取材を受けない。すごく困るし、それこそイタリア人から話を聞かないといけない。あんなことしているのはフェラーリだけ。他のチームは誰かが必ずメディアに対応してくれる」

尾張「トッドの時はどうだったの?」

柴田「トッド自身はそれほど話をしていたわけではなかった。テクニカルディレクターのロス・ブラウンはしょっちゅう話していたけれどね。ステファノ・ドメニカリも良い人だったけれど、トッドの後は小粒の代表が続いている」

──その一方で、ウォルフ代表はきちんと取材に応じてくれるんですか?

柴田「トトは取材を歓迎している。クリスチャン・ホーナー(レッドブルのチーム代表)もメディアにきちんと対応するけど、話に重みがない(笑)。ホーナーが不思議なのは、あれだけチーム内で批判の声もあるのに長期政権を築けていること。とても人望がある人物とは思えないのに」

──やはり、チームをまとめる代表は大事ですね。

柴田「代表はお飾りじゃないからね。マクラーレンが没落したのもチーム代表が理由だし……」

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