ルノーに加入したダニエル・リカルドは、レッドブル・レーシング時代を通して長年ルノーエンジンで走り、たくさんの経験を積んできた。その彼も、2019年のルノー製パワーユニットが一歩前進することは間違いないと感じている。
「本格的にルノーファミリーの一員になって、いろいろな数値を見せてもらった。彼らは人を喜ばせるためだけに(進歩したと)発言したりはしない」とリカルド。
「レースカーの場合、ダイナモでどれだけテストをしても、実際コース上で走ると予想外のことが起こって『どうしてこうなった?』と言いたくなるようなこともある」
「でも、昨年までのルノーの数値と比べると、2019年に向けて大きく前進したと思う。ルノー自身、『メルセデスよりよくなる』などとは言わないだろうが、ここまでの作業を見る限り、(改善に)期待はできると思う。そういう話を聞くことができてうれしい」

パワーユニット開発を取り仕切るタファンは、ルノーはシャシーと完璧に調和するパワーユニットを作り出したと確信している。ルノーはパワーユニットのファクトリーとシャシーのファクトリーの両方に莫大な投資を行い、設備の充実を図っている。
「あらゆる業務において組織がより円滑に機能するよう、新しい建物を建設中だ」とタファン。
「最適かつ最新鋭のテクノロジーを利用できるよう、テストツールの改善に取り組んでいく。近いうちに新しいテストベンチの運用を開始する。これは多数の機能を持ち、エンジンとギヤボックス、エンジンやERS単体、シャシーのリヤエンドにエンジンをつけた状態といったさまざまな形でのテストを行うことができる。2021年の新規則導入を見据え、将来への準備を進めていく必要がある」
「トップに返り咲くことができるという思いが、フタッフのなかで高まってきている。恐れのようなものはない。自分たちがやるべき仕事を果たせることは分かっているからだ。トップで戦うためのチャレンジに立ち向かう意志のない人間はここにはひとりもいない。成功するために何が必要なのか、皆理解している」
「ニコ(・ヒュルケンベルグ)とダニエルはふたりとも力があるドライバーだ。彼らがいい仕事ができることはチームの皆が分かっており、それがモチベーション向上につながっている」