困難をはねのけ、ピットスタートから10位に入賞したアルボン【今宮純のF1中国GP採点】
☆☆☆ バルテリ・ボッタス(メルセデス)
予選=PP、決勝=2位
今年のピレリはアタック中の1周に、“グリップ・エネルギー”のデグラデーション(性能劣化)が進む。それをつかみとり、セクター最速タイムはなくても一周をまとめてPP獲得。スタートのホイールスピンさえ無ければ2勝目はありえた。
☆☆☆ シャルル・ルクレール(フェラーリ)
予選=4番手、決勝=5位
バーレーンGPで煌めくスターとなっても有頂天にならず、チームプレイヤーとしてオーダーを受け入れた。
そこが同年代マックスとの性格の違い。上海では初日からリズムをつかめず、冷却系問題がありロングランができなかった。スタート後のペースにそれが響き、ベッテルとの順位入れ替えに……。
次のアゼルバイジャンGPでは昨年のザウバーで驚異の6位入賞、“アンダーステア・バランス”に仕上げたヘッドワークが印象に残った。セットアップ能力が彼の速さの源(みなもと)でもある。
☆☆☆ マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
予選=5番手、決勝=4位
マシンとパワーユニット(PU/エンジン)のリミットを使い切るようなマックス・ドライビング。その危うさがデビューからつきまとっていたが、それがしだいに消えてきた。現在13戦完走、すべて上位入賞、自己ベスト記録を更新中。
☆☆☆☆ セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
予選=3番手、決勝=3位
イタリアのメディアは昔から一喜一憂で、地元メディアの記者たちから批判されている。だがドライビングが急に下手(?)になったわけではない。
19周目、バックストレート・エンドの14コーナーで、フェルスタッペンとの攻防戦。わざとインを空けて相手を誘いこみ(タイヤロックさせ)、自分は大回りの“スロー・イン・ファストアウト”。出口のクロスラインを狙い抑えこんだ。フェルスタッペンの気性を読んだトリック・プレーはさすが。