更新日: 2019.05.21 09:44
スペインGPでダブル入賞を逃す原因となったピットストップミスとタイヤ戦略/トロロッソ・ホンダF1コラム
レース終盤を前に、クビアトは8番手、アルボンは10番手と2台が入賞圏内を走っていた。ホンダとしても目標としてきた4台入賞は目前だった。
しかし46周目にターン1~2で起きた事故処理のためにセーフティカーが入り、レースは大きく動いてしまった。いや、レースが動いたというよりも、トロロッソ・ホンダ自身が自滅してしまった。
セーフティカー導入と同時に2台を同時にピットに呼び入れて2回目に予定していたピットインを済ませる戦略に出たが、チームクルーはアルボンが先に入ってくると思い込んでアルボンのタイヤを用意して待っていた。
しかし先に入って来たのはクビアトで、クルーは1周後に用意するはずだったクビアトのタイヤを慌てて取りに戻って装着し、大幅にタイムロス。クビアトの後ろで待っていたアルボンも同様にタイムロスを余儀なくされ、ピットストップ後には9番手・11番手に順位を落としてしまった。
もうひとつのミスは、ここでミディアムタイヤを履かせてしまったことだ。
周囲の中団勢はセーフティカー明けのタイヤウォームアップを優先してソフトタイヤを履いていた。どのドライバーも予選で使った中古しか残っていなかったが、燃料が軽くなった状態での残り15周弱の走行なら摩耗的には問題がなかったからだ。
そのためトロロッソ・ホンダ勢はリスタート直後の威力に欠け、クビアトは後方からソフトタイヤで攻めてくるカルロス・サインツに抜かれてしまった。前方でチームメイト同士で接触してコースオフしタイヤのグリップを失ったロマン・グロージャンをパスすることはできたが、その自滅がなければクビアトは10位のままレースを終えていたかもしれない。
トロロッソ自身はソフト勢がペースを落としたところで攻めていくつもりだったようだが、あまりに残り周回数が少なすぎた。