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投稿日: 2016.09.23 14:48
更新日: 2016.09.23 14:56

今宮純シンガポールGPドライバー採点&短評:攻めと守りが交錯した61周


F1 | 今宮純シンガポールGPドライバー採点&短評:攻めと守りが交錯した61周

☆☆☆

フェルナンド・アロンソ
バトンだけでなく、ピットで見ているバンドーンに今のマシン&PUの“限界走法”をアピールするようだった。アクセルペダル設定は常に“全開モード”。それを非常に微細に踏み分けるトルクコントロール(長谷川氏からそのヒントを聞いた)。予選9位、決勝7位、これはアロンソ個人技によるリザルト。スタート直前、グリッド上に本社社長が来られたが、お愛想はせずに彼は集中モードになっていた。あの気迫、社長に伝わっただろうか?

ダニール・クビアト
昨年FP2トップだったのを覚えているだろうか。レッドブルと一体化、本能の速さを持つクビアトの真骨頂がさく裂。スランプを吹き飛ばすならここだろうと思っていたが、ようやく95%元に戻った。レース中のフェルスタッペンとのバトルはどっちもどっちのイーブン。スランプ脱出のきっかけになったのではないか。

キミ・ライコネン
低い縁石を目いっぱい使い、ワイドラインを描く走りを目の当たりにして、スイートスポットにはまったキミを感じた。ベッテルとは明らかにセットアップ方向を変えたはずだ。ひと言でいうなら「流麗コーナリング」。タイヤマッチングもベターでいたのに、レース戦略のあやで4位に終わった。チーム批判は慎み、耐える彼らを見るととても空しい……。

☆☆☆☆

セルジオ・ペレス
余談、木曜深夜にチームスイートで雑談中にペレスとひと言。「トム・クルーズに似ているとか?」、「いやあ、よく言われるけどね」。23戦連続完走、16入賞、フォース・インディア“トップガン”が貴重な8位4点を追加、1点差逆転ランク4位へ。最終スティント36周(ソフト最長)が効いた。地道なレースマネージメント、ナイトレースで渋く光る。

ニコ・ロズベルグ
ママチャリではない普通の自転車でホテルとサーキットを“通勤”。金曜クラッシュから始まった週末、こつこつと進めていった落ち着き(あるいは自信)に、メンタルコンディションの変化を感じる。ハミルトンはあいかわらずスター気取りで(耳に大きなダイアモンドピアス)、比べたらニコは一般人のよう。FP1クラッシュを猛省してから、限界ゾーン寸前のセルフコントロールを予選、決勝で持続。まるでマラソンランナーのような1時間55分48秒950、精密な駆け引きの61周だった。

☆☆☆☆☆

ダニエル・リカルド
金曜FP2が終わったのは午後11時。それからミーティングがあり、日付け変わった土曜午前3時半にリカルドはパドックから帰っていった。4位で終わったFP2のあと、彼らは未明までダメ出しを続けていた(いつもの笑顔で深夜のご帰還)。土曜予選は2位、セクター3最速で追いすがるもPPには届かった。最速メルセデスに対し、彼らは3ストップレースに賭け、ファイナルラップまで徹底攻撃にいった。タイヤはぼろぼろでも0.488秒差までウイナーに迫った闘争心は“最高の敗者”。今年一番のレーシング・スポーツを演じたリカルド。
F1シンガポールGPダニエル・リカルド


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