Jun Imamiya

 論点を変えよう。一方の当事者であるハミルトンには、3コーナーから4コーナーでの一連のプレーがすべてはっきりと見えていた。

 確かに後続のハミルトンは“事故回避”のためにブレーキング(減速)と、きわどいラインを強いられた。それは自分が相手との接触を避けるためだ。

2019 F1 第7戦 カナダGP セバスチャン・ベッテル、ルイス・ハミルトン
2019 F1 第7戦 カナダGP セバスチャン・ベッテル、ルイス・ハミルトン

 危うい瞬間だったがふたりはタッチせず、二台は壁もヒットせず、そのままのオーダーで切り抜けていった。個人的にはチャンピオン同士だからできて、彼らでなければ何が起きても不思議ではなかったと思われる。

 47周目までのレースはベッテルとハミルトンの緊迫した展開ばかりか、上位から中位、下位まで全域で見ごたえあるドライバーズレースが続いた。

 絶好のレース日和に満員となった40回目のジル・ビルヌーブ・サーキット、惜しみない声援と拍手がトップランナーであり、2位敗者のベッテルにおくられた。

 スチュワードの権能とレギュレーションの拘束が浮き彫りにされたカナダGP。いまのフォーミュラ・ワンのこれが現実である。

 最後にベッテルがあの3コーナーでミスを犯したのは事実、そこまでハミルトンが追撃にうちこんだのも事実、スチュワードがルールブックに従って罰したのも事実。

 観戦した多くのファン(他のドライバーたち)が、「この裁定は限りなく“アウト”」とジャッジしたのも、もう一つの事実だ――。

2019年F1第7戦カナダGP ペナルティで勝利を失ったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、マシンの順位ボードを入れ替え
2019年F1第7戦カナダGP ペナルティで勝利を失ったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、マシンの順位ボードを入れ替え

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