――しかし、今回は勝てませんでした。
山本MD:ええ。ポール・トゥ・ウィンができなかったのは、最初は悔しい思いしかなかったですね。ただ夏休み前最後のレースで初ポールを取って、エンジニアたちが勲章をもらえたのはよかったと思います。
ここまでの12戦で、マックスがすべて5位以内に入賞しているというのも凄いことですしね。ホンダにとっては思っていた以上に、いい前半戦でした。
――少し前までメルセデスは仰ぎ見る存在だったわけですが、少なくともハンガリーでは互角の戦いができました。その達成感を強く感じたレースでしたか?あるいは最終的に敗れて、やはり彼らの総合力にはまだかなわないという思いの方が強いでしょうか。
山本MD:個人的には、前者ですね。メルセデスとハミルトン、レッドブル・ホンダとマックスという組み合わせでは互角の戦いができると、今日のレースで見えたかなと。もちろん新たな課題も見えてきたし、その意味でも次につながるレースでしたね。2位なのに悔しいというのは、一種の贅沢病かもしれませんが(笑)。

――3強のもう1チーム、フェラーリに関してはどんな感想をもっていますか?
山本MD:ある程度、客観的に全10チームを見た時に、レースをよく見て、臨機応変に状況に対応して、いい形で戦えるのはメルセデスとレッドブルの2チームという印象ですね。
一方フェラーリは、パワーユニット(PU/エンジン)はピカイチの性能だし、車体も決して悪くない。しかし総合力では、メルセデスに及ばない。2番手にフェラーリとレッドブル。とはいえレッドブルがやや上にいる、という感じでしょうか。パワーユニットに関しては、フェラーリ、メルセデス、ホンダです。
――ルノーは1000馬力出ているそうですよ。
山本MD:マックスも、そう言っていました(笑)。真面目な話、僕らは自分たちの計画をきっちり遂行することに一生懸命なので、ルノーやフェラーリ、メルセデスがどうしているということよりも、パフォーマンスと信頼性のバランスをとることに必死です。ただライバルたちに負けているという認識だけは、みんな持っています。