更新日: 2019.08.07 19:04
【F1ハンガリーGP無線レビュー】チーム戦略に懐疑的だったハミルトン。「本当にこれが正しいコールだったのか分からないよ!」
メルセデス:プレッシャーを掛け続けろ。
ハミルトン:プレッシャーを掛け続けるなんてことはできないよ!
フェルスタッペンに接近してプッシュし続けたハミルトンは、一旦バックオフしてブレーキ温度のばらつきとパワーユニット温度の上昇を抑えなければならなかった。ハミルトンがマシンに問題を抱えたのかとフェルスタッペンが思うほどだった。
フェルスタッペン:彼はマシンにダメージがある?
レッドブル:ブレーキ温度のスプリットとパワーユニットの温度をコントロールしているんだ。
しかし、ハミルトンは再びじわじわと差を縮めてくる。
フェルスタッペン:僕にフルパワーをくれ! それが必要だ!
レッドブル:君はフルパワーで走っているよ。
フェルスタッペン:彼がDRSを使えるかどうか常に伝えてくれ。
ハミルトンは2ストップ作戦に切り替え、ハードタイヤを早々に使い切ってしまっても構わなかったからだ。その一方でフェルスタッペンは残り45周もの距離を走り切るためにタイヤを労りながら走らなければならなかった。
そしてハミルトンは48周目にピットに飛び込み、ミディアムタイヤに履き替える。その瞬間は23秒ものギャップが広がり、ハミルトン自身もこの作戦を成功させられるのかどうか半信半疑だった。しかしメルセデスAMGは自分たちの計算と実力を信じた。
ハミルトン:本当にこれが正しいコールだったのか分からないよ!
メルセデス:了解。でも君にはこの作戦を成功させるペースがある。
ハミルトン:彼はかなりまだ遠いよ。
メルセデス:さっきのラップで19秒差、ラップタイムは17.4と20.4だ。
一方のレッドブルは1周後にピットインしてもアンダーカットされるのは確実で、残された唯一の選択肢はそのまま最後まで走りつづけて首位を守りきることだけだった。