更新日: 2019.08.19 12:01
ホンダF1山本MD前半戦総括(1)分岐点はフランスGP。今だから明かす、フェルスタッペンにだけ起きたパワーロス症状
──冬のテスト、開幕戦当時から、マシンパッケージとして大きく進化した印象です。
山本MD:本当に、そう思いますね。
──開幕戦で表彰台に上がった時も、「なかなか簡単には勝てないね」と、言ってましたよね。
山本MD:そう。それが実感でした。もともとメルボルンは特別なコースですから、車体やパワーユニットの本当の実力はなかなか測りにくい。冬のテストは、ほぼほぼうまくいってましたから、メルボルン入りした時も(ヘルムート)マルコ博士や(クリスチャン)ホーナー代表は、「うまくいけば3位表彰台だな」と言っていて、実際そうなりました。
それはそれでよかったですが、同時に勝つのは大変だなと実感させられました。もちろん初表彰台でしたから、本当にうれしかったですけどね。しかし、ハンガリーの2位は悔しさしかない。人って、恐いですよね(苦笑)。
──トップのメルセデスとの差は、確実に縮まっているという印象ですか?
山本MD:縮まってはいると思います。開幕戦当時は、メルセデスについて行けるという感覚すらなかった。HRD Sakura(栃木県の本田技術研究所)の開発者たち、レース現場のエンジニアたちが、本当にいい仕事をしてくれた。それに尽きますね。
そして前半戦最後のハンガリーでは、メルセデスのルイス・ハミルトン、レッドブル・ホンダのマックスが、真っ向バトルを繰り広げてくれた。非常に印象的だったのは、レース中にハミルトンが飛び出したシーンがあったじゃないですか。あれは、凄いですよね。もし開幕序盤だったら、軽く抜かれて、ハミルトンが飛び出すなんてことはもちろんなく、あっという間にちぎられて終わっていたでしょう。それがあのレースでは、並んで入って行った。実りのあった前半戦だったと思います。
※ホンダF1山本MD前半戦総括(2)に続く