Mamoru Atsuta

山本尚貴:あの時間があったから、今があるのでよかったと思います。ドライバーとしてのリクエストとホンダという企業としての意見を面と向かってぶつかり合えるという環境がありがたいと思いました。

 お互い気を使っていては前に進めないし、かと言って文句のいい合いでは後退してしまいますからね。その辺のバランスの取り方は難しいところではあると思いますけれど、真剣に思って動いてくれるということが嬉しかったですね。

 そういう風に思っている人がやっているから、きちんと結果として現れたのだと思います。でも、その時は全然笑えなかったですけどね(笑)

 今となっては、笑い話になって良かったなと思います。だから、辛い思い出というと、山本さんに怒られるか、そういうバチバチした時が辛いっす……(笑)。嬉しい時は、山本さんが喜んでいる顔を見た時が嬉しいです!

山本MD:モータースポーツをやっている以上、尚貴は勝ちたい。僕もホンダとして勝ちたい。そこは共通点なので、ぶつかり合いつつ目標を達成するというプロセスは正しいと思いますよ。

山本尚貴:まあ、レースをやっていれば辛い思い出の方が多いですけどね。喜べることなんて数十分の1ですよ。最初にSF(スーパーフォーミュラ)のタイトルを取ったのが2013年ですからね。6年かかりました。

熱田:では、その6年のモチベーションのキープはどう維持していましたか?俺はダメなんじゃないかとか弱気になったりしませんでしたか?

山本尚貴:いや~思いますよ、2017年にSFでピエール(ガスリー)とチームメイトだった時は、メンタルズタボロでした。だけど、やはり根底にある、モチベシーションを唯一保てていたのは、負けることが嫌い!勝ちたい!という思いが僕の根底にはあるので、負けて嫌だったらこの世界から足を洗えという話ですし、悔しかったら這い上がってこいよというのがレースの基本だと思うんです。

 ホンダのエンジニアさんたちにもそういう気持ちがあったから、ふたつの勝利(F1オーストリアGPとドイツGP)があったと思うし、それがホンダイズムだと僕は思っています。

 だから、僕も勝てることの方が圧倒的に少ないんですけれど、負けていい気はしないし、次は這い上がって自分の力を出し切って頂点に立ちたいというのが、僕のモチベーションです。

熱田:じゃあ、(弱気になっても)その思いは揺るがない?

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