――この問題はフェルスタッペンが言い出したことで僕らも知ったわけですが、実際にはシーズン当初から多少の差はあるにしろ、4台に出ていたのですか?
本橋CE:いや、ドライバーから要求なり不平として出てくるのは、そのためにラップタイムが落ちている場合ですから、その意味では最近ですね。ここに来てコンマ01秒でも縮めたいというレベルになってくると、そういうところもきちんと手を入れて行く必要があると考えています。
――言い換えると今までは、それ以前に解決すべき問題が多々あったということでしょうか?
本橋CE:それは、ありますね。去年の途中から確実に信頼性が上がってきて、マシンが壊れなくなりました。それでようやく、性能向上に注力できるようになってきています。今年は大きなトラブルも出ていませんし、ある程度土台がしっかりしたことで、ラップタイムをいかに縮めるかを主眼にした開発、そしてチューニングができるようになってきたかなと。
――ふたりのドライバーはドライビングスタイルもずいぶん違う印象ですが、パワーユニットの使い方も顕著な違いがありますか。
本橋CE:乗り方の違いに起因するんですが、スロットルの開け方がダニー(クビアト)の方が急激ですね。なので僕らにとっては、ダニーの方が厳しいです(笑)。
――トルクが付いて来にくい問題も、ダニーの方がより出やすいのですか?
本橋CE:はい。とはいえ(第12戦)ハンガリーGPで、ドライバーからのダメ出しは、ほとんどなかったです。
――アルボンの運転は、開ける場合も、閉める場合もよりスムーズですか?
本橋CE:閉めるのはほぼ同じなんですが、開け方ですね。そこはドライバー4人が、それぞれ違います。そのため柔軟に対応しています。それも現場での役割のひとつだと思ってますので。
――前半戦、本橋さんの最高のレースは、言うまでもなくドイツGPでの表彰台ですか。
本橋CE:そうですね(満面の笑み)。本当にすべてのパフォーマンスというか、車体、パワーユニット、戦略、ドライバーの頑張り、すべてが噛み合って、出せた結果だと思います。

――長くレースをやっていても、そうそう起きることではないですね。
本橋CE:そう思います。