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投稿日: 2019.08.28 12:18
更新日: 2019.12.27 19:51

【ホンダF1を語りつくす座談会(3)】レッドブルは年間5勝いける! スペック4の投入時期と後半戦に勝てるグランプリを大胆予想


F1 | 【ホンダF1を語りつくす座談会(3)】レッドブルは年間5勝いける! スペック4の投入時期と後半戦に勝てるグランプリを大胆予想

──パワーユニットに加えて、車体側でもなにかを掴んだということは、ますます後半戦に期待してもいいんじゃないでしょうか。

柴田:低速コーナーの多いシンガポールは勝てるかもしれないね。スパ・フランコルシャンとモンツァは勝てるかどうかわからないけれど、良い戦いができると思いますよ。

尾張:モンツァでスペック4を投入する予定だから、ペナルティを受けてしまうし、さすがに優勝は諦めないといけないかもしれない。ただね、実はハンガリーではどのスペックのPUを使ったのかを教えてくれなかった。それからスペック3を投入したフランスでは3日間これを使ったんだけど、その次のオーストリアではもう金曜日の時点でPUのスペックを教えてくれなかったんだよね。

 もちろん、スペック1も2もまだ使える状態にある。だからハンガリーで使ったのはスペック2かもしれないし1かもしれないけれど、それはつまりスペック3をかなり温存しているということ。オーストリアでスペック3を使ったのはフリー走行3回目からなので、金曜日分の走行距離をセーブできている。それ以降のイギリスとドイツでも金曜日には使わないで、土曜日から使っていた。

柴田:ということは、ハンガリーではスペック3を使っていないということだろうね。

尾張:オーストリア、イギリス、ドイツの3戦でしかスペック3を使っていないとすれば、走行距離を考えても、ベルギーでもスペック3を使える。

 もっと言えば、スペック2をどれくらい使っているかというと、投入したのが第4戦アゼルバイジャンGPで、その次のスペインも使ったけれど、第6戦モナコGPでは使ったかどうかわからないんだよね。スペック1を使った可能性も否定できないし、スペック2だったとしても、第7戦カナダGPを入れてまだ4レース。スペック3だって、(オーストリア、イギリス、ドイツで)金曜日の走行距離をセーブしているから、1レース分くらいはセーブできている。

 パワーユニット1基につき7レースで使用できると考えると、シンガポールもこのPUで走ることができる。でも、スペック1をどう使っているかはわからないんだけどね。

柴田:ただスペック1にも2にもターボの信頼性の問題があったから、今後フェルスタッペンがレースに投入するかどうかという疑問はあるけどね。

2019年F1第12戦ハンガリーGP決勝 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)
2019年F1第12戦ハンガリーGP決勝 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)

──スペック4をモンツァで投入する狙いはなんでしょう?

尾張:僕としては、ダウンフォースが必要なスパを諦める必要はないと思う。それにオランダが近いから、フェルスタッペンにとっても地元レースのような雰囲気もある。これまでレッドブルとスパの相性が悪かったかと言えば、そうでもないからね。だからスパではスペック4を使わないで、モンツァを諦める方がいいかなと。

 別にこれは、優勝の可能性があるシンガポールのためではないと思う。もっと言えば、スペック5もあるんじゃないかな? 「馬力が上がれば、ペナルティを受けてでもそのPUを使いたい」とワシェも言っていた。今年はタイトル争いを半分諦めているようなものだし、2020年は車体もほとんど変わらないから、来年を見据えている。伸び代があるならば、どういうパフォーマンスを発揮できるのかを確認したいだろうしね。

柴田:来年のクルマの開発を考えても、その方がいいだろうね。

尾張:シンガポールとメキシコでの優勝がマストという感じだね。あともうひとつありそうだけど。

柴田:鈴鹿で勝つのは難しいだろうけど、鈴鹿で勝ってほしいなぁ。

尾張:鈴鹿は期待としてね。あとは第20戦ブラジルGPかな。マシンにダウンフォースがあったほうが適しているサーキットだから。

柴田:きっとブラジルは雨でフェルスタッペンが優勝するよ(笑)。

尾張:じゃあシンガポール、メキシコ、ブラジルの3つかな。

柴田:でもメルセデスも開発を休んでいるわけではないからね。標高の高いオーストリアで惨敗した悔しさは忘れていないと思う。だからメキシコでは巻き返してくるかもしれない。

──たしかに、このままメルセデスが黙っているとは思えないですよね。

尾張:でもいつも思うんだけれども、メルセデスはシーズン後半戦になると弱くなる。2018年の後半戦も、最速マシンはレッドブルだった。2017年はフェラーリがエンジンの問題を抱えていたから問題はなかったけれど。そう考えると今年のレッドブル・ホンダは意外と大丈夫なのかもしれない。

 それとレース戦略についても、メルセデスかなりミスをするようになっている。今年のモナコでも判断ミスをしていた。ハミルトンの最終スティントにミディアムタイヤを履かせた理由を聞いたら、フリー走行でメルセデスだけがロングランを行い、フェラーリとレッドブルは予選重視の走行をしてロングランのデータを持っていないから、メルセデスはハミルトンにロングスティントを託したと言っていた。

 でもハンガリーではレッドブル・ホンダも判断ミスをしている。メルセデスに負けた原因は、フリー走行でハードタイヤのロングランを行っていなかったから。レッドブルに見られる傾向として、他チームの状況を見ただけで、レッドブルのマシンならこのくらい走れるだろうという判断を下しているというところがある。

柴田:それはこの4、5年タイトルから遠ざかっていたからそうなってしまったのかな。

尾張:ギャンブルしないと勝てない面ももちろんあるし、フリー走行ですべてのデータを集めることはできないからね。

柴田:レッドブルはタイトルは獲れないにしても、ランキング2位にはいけるんじゃないかな。フェラーリは後半戦少し厳しそうに見える。

■フェラーリとは異なるコンセプトでアウトウォッシュを生み出したレッドブル


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