スピンを強いられたストロールも復帰の際にガスリーの進路を塞ぐようなかたちとなり、ガスリーはグラベルに逃げてなんとか難を逃れた。ストロールにはドライブスルーペナルティが科された。
ノーズを壊したベッテルはピットインしてハードタイヤに交換して最後まで走り切る戦略に出る。同じアスカリの出口でロマン・グロージャン(ハース)もイン側の縁石にヒットしてスピンを喫し、ピットインしてミディアムに交換している。

これで中団は4番手リカルド、5番手ヒュルケンベルグ、6番手サインツ、7番手ジョビナッツィ、8番手アルボン、9番手ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)、10番手マグヌッセンという順になった。2番手ハミルトンは首位ルクレールの1秒後方にピタリと付け、2番手ボッタスもその1秒後方でチャンスを窺う。ルノー勢はそこから1周1秒以上遅いペースで引き離されていく。アルボンはジョビナッツィ、フェルスタッペンはライコネンをそれぞれ抜いて徐々に順位を上げていく。
ルクレールから1.4秒差で走る2番手ハミルトンはリヤのタレを訴え、オーバーカットするのは難しいだろうと無線で伝える。その直後の19周目に先にピットインを仕掛ける。首位ルクレールは翌20周目に反応してピットイン。ルクレールはハミルトンの目の前でコースに復帰するが、しかし選んだタイヤはハミルトンのミディアムに対してハード。ウォームアップは厳しくハミルトンから厳しいプレッシャーを受けるが、ルクレールはヒュルケンベルグのトウ(スリップストリーム)を使って何とか逃げる。
22周目のパラボリカでヒュルケンベルグを抜いたルクレールだが、続くターン1〜2でハミルトンが追い付きターン4でアウト側に並びかける。ルクレールは僅かに右に動いてハミルトンは行き場をなくし、タイヤをダートに落としながらランオフエリアへ回避。このドライビングに対してスチュワードは黒白旗を提示してペナルティ寸前であることを伝えるが、ルクレールは「なぜだ!?」と意に介さない。ハミルトンはフェラーリのストレートの速さに手を焼き、なかなかオーバーテイクのチャンスを手にすることが出来ない。
ルクレールはファステストラップを叩き出しながらハミルトンをじわじわと引き離そうとするが、ハミルトンも自己ベストタイムで食い下がる。2台のピットインでトップに浮上したままステイアウトするボッタスは27周目にようやくピットインしまだピットインしていないリカルドの後ろで戻る。