Mineoki Yoneya

 走る楽しさを再発見したと言わんばかりの表情にガスリーの復調は確実かと思われたが、土曜日に子どもの頃から仲の良かったアントワーヌ・ユベールをFIA-F2の事故で亡くすという悲劇に直面しながら、決勝で9位入賞を果たした。連戦となった“準地元”イタリアGPにやって来てもなおガスリーの表情は暗く沈んだままだった。

「とてもチャレンジングな状況に置かれていることは確かだよ。とても限られた時間でこのチームのマシン、新たなクルーに慣れていかなければならなかったし、そんな中でも最大限のパフォーマンスを発揮しなければならなかった。それに土曜日にあんなことが起きてしまって、集中力を保つのは本当に難しかったし精神的にも辛かった」

「だけどそんな中でも最大限の力を尽くしてレースをすることがチーム、そしてアントワーヌのためでもあると思ったし、復帰初戦でポイントを持ち帰ることが出来たのは本当に良かったと思う」

 レッドブルであろうとトロロッソであろうと、そして大切な友を亡くそうと、自分に出来るのは最大限の力を出し切ること。そう言い聞かせて、ガスリーはこのモンツァの週末に臨んでいるように見えた。

「どんな時でも最大限のパフォーマンスを発揮しなければならないのは、どのチームでも同じことだ。アプローチの仕方やプレッシャーはレッドブルだろうとトロロッソだろうと変わらないよ」

 しかし、トロロッソにとってイタリアGPは決して楽な戦いにはならなかった。

 スペック4パワーユニットを投入し後方17番グリッドからスタートを余儀なくされたガスリーは、スタートで13位までポジションを上げたもののセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のスピンに巻き込まれたランス・ストロール(レーシングポイント)とあわやクラッシュという場面に遭遇し、コースオフを余儀なくされて後退。その際に抜いていったセルジオ・ペレス(レーシングポイント)が全く同じ戦略で7位でフィニッシュしたことを思えば、ガスリーにも6~7位を争う力は充分にあったはずだった。

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