ロシアGPでのフェラーリはチームオーダーばかりが注目されたが、じつはそれ以外にもフェラーリは失態を犯していたと指摘するのは、メルセデスのあるエンジニアだ。
それはレース中盤にバーチャルセーフティカー(VSC)がルイス・ハミルトン(メルセデス)に有利な形で入り、事実上トップを独走していたルクレールが2番手に落ちたときのことだ。直後にセーフティーカーが導入されると、フェラーリはセーフティーカー明けのレース再開に備えて、ハミルトンと同様、ソフトタイヤへ交換させるためルクレールを再度ピットインさせた。これにより、ルクレールはバルテリ・ボッタス(メルセデス)にも先行を許し、3番手に後退した。この作戦がメルセデス陣営にとっては謎だと言う。
「ソフトのほうがグリップ力があるから、残りのレースで履きたい気持ちはわかるが、ソチは同じタイヤでは抜けない典型的なコースだということは過去のレースを見ればわかるはず。あそこでポジションを1つ落としてピットインさせたのは、間違いだった」(メルセデス某エンジニア)
ロシアGPでチーム代表がドライバーをコントロールできず、チームの戦略家がレースをコントロールできなかった現在のフェラーリ。果たして、鈴鹿でどこまで立て直しを図ってくるか注目したい。


