“春男バルテリ・ボッタス”が現役チャンピオン以外の鈴鹿ウイナーに。3番グリッドから先頭に出ると孤独な疾走に集中していった。開幕から1位~2位~2位~1位をならべ第4戦までシリーズをリード、ハミルトンに対等な戦いを挑んでいたときのようだった。PPベッテルの“フライング動作”に気付き、右側ではなく空いた左側に振った判断が13戦ぶりの6勝目に結実。メルセデスのコンストラクターズV6を決定付けた誉れに価値ありだ。
(5)オーストリアGPの因縁再び

スタート直後、2コーナーでオーストリアGPのあの激闘を“再現”。フェルスタッペン対ルクレール、今シーズン中盤からふたりはスリリングでアグレッシブなバトルを魅せてきた。
接触後フェルスタッペンは、グラベルと芝にコースアウト(ダウンフォース25%減のダメージ)、満員のホンダ応援席の前だった。このレースたった1台のリタイアはレッドブル・ホンダ。エースは一瞬の勝負に賭けたが2コーナーは狭かった(もしターマック舗装のエスケープゾーンだったなら?)。

レッドブルとトロロッソのチームをスワップしたふたり、アレクサンダー・アルボンとピエール・ガスリーが5戦目のベストレース。初鈴鹿の予選でエースと同タイムのアルボンはややローダウンフォース方向でまとめ、セクター2で稼いだ。
決勝ではコースそのものにさらに慣れていき、7番手から追い込み4位へ。エースが消えた後だけに大きい戦果だ。ガスリーは1ストップ戦略、直線が速いライバル勢との防戦はきわどかったが鈴鹿経験値がある彼は守りぬいた。彼らに共通して言えるのは、チームを移動し立ち位置が変わっても「強いレース」をまっとうしたこと。
(7)戦闘力アップを証明したマクラーレン