そんな事情もあってFP1では16番手・17番手と下位に留まったが、FP1からFP2に向けてセットアップを変更し挙動を改善したことで大きく戦闘力が向上し9番手・12番手。Q3進出まで0.1秒以下の差だったここ数戦と同じくポイント圏を争う力があるというところを証明してみせた。
ここ数戦でクビアト車にばかり続いていたトラブルも、今回は全く起きなかった。ラジエターや燃料ポンプ、ICEとそれぞれ異なるトラブルであり偶然としか言いようのない出来事だったが、チームとしては成長しトラブルの数自体は昨年に較べて明らかに減っているのだとエジントンは語る。
「起きたトラブルはそれぞれ個別のもので関連性はないし、チームクルーの作業にも問題はなかった。我々としても調査はしているが、ハッキリ言ってしまえばダニーのクルマだけにトラブルが集中してしまった原因は分からない。私も20年以上この世界で仕事をしているが、レースでは時々そういうことが起きるし、それは運という言葉で片付けるほかなかったりする。なぜかそういう流れのようなものがあったりするんだ」
「実は去年も表には出ていなくても細かなトラブルなどは多々あったんだ。しかし今年は全体を通してみればトラブルの数は格段に減っているし、今もチーム全員で改善すべく努力しているし、実際にチームとして進歩できていると思うよ」
昨年の日本GPでは予選で6番手・7番手という好結果を手にしたが、予選パフォーマンスを意識しすぎたあまりタイヤには厳しいセットアップとなってしまい、決勝ではズルズルと後退する失態を演じてしまった。
しかし今年はその反省を生かしてしっかりとマシンを仕上げ、さらには中団グループのレーシングポイントやルノーを抑えながら上位を走るガスリーをクビアトが第1スティントを長く引っ張って後続を抑え込みアシスト。マシンセットアップ面でもレース戦略面でも1年前とは見違えるような進歩を見せた。