更新日: 2019.10.28 12:47
ピレリ「ハミルトンはレースの鍵を握るハードタイヤを最大限に活用して優勝を果たした」
2019 メキシコグランプリ 決勝
戦略が鍵を握ったレースで1ストッパーが表彰台を占める
2019年10月27日、メキシコシティ
メルセデスのルイス・ハミルトンがメキシコグランプリを制しました。3番グリッドからスタートしたハミルトンは、ミディアムからハードへ交換する1ストップ戦略を採りました。
トップ3が採用したこの戦略は、エルマノス・ロドリゲス・サーキットの厳しいコンディションにおいて、可能ではあるものの難しいと予測されていました。昨日までよりも高くなった気温がグレイニングの抑制につながり、この1ストップ戦略実行に寄与しました。
■キーポイント
・ハミルトンは、早めにミディアムからハードへ交換したドライバー中のひとりでした。その後、ハミルトンは、48周のファイナルスティントで完璧にタイヤをマネージメントして優勝しました。
・ハミルトンの他にハードタイヤでロングスティントを走行したドライバー中のひとりは、ルノーのダニエル・リカルドでした。ただひとりハードタイヤでスタートしたリカルドは、50周のオープニングスティント後、ミディアムへ交換して8位入賞を果たしました。
・レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ミディアムでスタート後、序盤の接触によるパンクを受けてハードへ交換し、66周のファイナルスティントを走行しました。一時は最下位まで順位を落としたフェルスタッペンは、6位でフィニッシュしました。
・2ストッパー中の最上位ドライバーは、4位を獲得したフェラーリのシャルル・ルクレールでした。ルクレールは、理論的に最速と予測されていたミディアム~ミディアム~ハードと繋ぐ戦略を実行しました。
・最終的に、ソフトタイヤでスタートしたドライバーを含む7名が2ストップ戦略を採りました。
・雨に見舞われた昨日までよりも高い気温下でレースが行われました。最高路面温度は49度に達しました。
■各コンパウンドのパフォーマンス
・ハード C2:鍵を握るレースタイヤとなり、多くのドライバーがハードタイヤでロングスティントを走行しました。ハードタイヤは、デグラデーションも小さく、今日のコンディションに適していました。
・ミディアム C3:5名を除く全ドライバーがミディアムタイヤでスタートしました。
・ソフト C4:スタートタイヤとして使用義務のあるトップ10グリッド中の4名のドライバーのみが、レースでソフトタイヤを使用しました。
ピレリ カーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント
「ライバルたちの戦略への対応を含め、多様な戦略が展開されました。昨日までよりも気温が高く雨の心配も無くなったことで、スライドやグレイニングが抑止され、1ストッパーが実現可能となりました」
「ハードタイヤが重要な役割を演じ、いくつかの非常に長いスティントが見られました。なかでもルイス・ハミルトンは、フロントロウからのスタートでなかったにも関わらず、オーバーテイクが難しいサーキットで、ハードタイヤを最大限に活用して優勝を果たしました」
■コンパウンド毎のラップタイム上位:
・ハードタイヤ
シャルル・ルクレール:1分19秒232
アレクサンダー・アルボン:1分19秒325
セバスチャン・ベッテル:1分19秒381
・ミディアムタイヤ
ピエール・ガスリー:1分19秒530
ダニール・クビアト:1分19秒905
キミ・ライコネン:1分20秒082
・ソフトタイヤ
ピエール・ガスリー:1分23秒121
カルロス・サインツ:1分23秒155
ランド・ノリス:1分23秒271
■最長スティント:
・ハードC2:マックス・フェルスタッペン 66Laps
・ミディアムC3:ランス・ストロール、ロマン・グロージャン、セバスチャン・ベッテル 37Laps
・ソフトC4:カルロス・サインツ 15Laps