
──スタートは、よかったですよね。
田辺TD:そうなんです。あそこでスリップに付いて、ブレーキングをギリギリまで遅らせた。そこで、やられてしまったわけですけどね。このところスタートがうまく行っているのは、これまでの失敗例を見直して改善を重ねていることが大きいです。スタートプロセスを車体側とも繰り返し確認していることも、効果的ですね。
──そのあとのレース展開は、ピット戦略も明暗を分けた印象です。
田辺TD:ええ。レッドブル・ホンダが2台とも2回ストップだったのに対し、メルセデス、フェラーリは分けてきた。その中では1ストップのドライバーが、結果的に上に行った。レースでのタイヤの劣化状況を読み切れなかったのと、もともとデグラデーションがよくなかったことで、1回ストップに踏み切れなかったのかもしれないですね。
──とはいえフェルスタッペンは5周目にハードに履き替えて、チェッカーまで走りきりました。
田辺TD:確かに。事前にそこまで読みきれず、踏み切れなかったということです。
──そもそもですが、田辺さんの感想としては予選での3グリッド降格が痛恨でしたか。
田辺TD:痛恨ですよ。それがなければ、今回スタートもよかったですから、順位を下げることはなかったはず。1コーナーをクリアに抜ける可能性も高かったし、そうすればずいぶん違った展開になっていたでしょう。たられば、ですけどね(苦笑)。先頭を走れば、いろんなことが有利なわけですし。
──クリスチャン・ホーナー代表は今回の速さには、ホンダの貢献も大きかったと言っていました。
田辺TD:それはわれわれも非常にうれしいですし、特殊な環境にきちんと合わせられたことはよかったです。これは必ず、今後の違うコンディションのレースでも活きるはずです。