そして災難なシーズンを終えたフェラーリにとっては、もしフェラーリがチャンピオンシップを勝ち獲りたいのならば、ウォルフはまさに彼らがチームに連れてくる必要のある人物だとジョーダンは考えている。
「彼らがどうやってレースの戦略を立てているのかという点では、彼らにないものといえば、ピットウォールでチームの指揮を執る人だ」
「トトはそれをわかっている。彼は是非とも自分の履歴書にフェラーリのような名前を加えたいだろう」
しかし、たとえフェラーリがハミルトンとウォルフへの尽力を保証したとしても、彼らが自ら進んで若手のスターであるシャルル・ルクレールを諦めることはないだろうとジョーダンは考えている。

「フェラーリはふたりのナンバー1ドライバーを必要とするだろうか? 答えはノーだ。しかし、彼らはルクレールを手放さないだろう」
「彼は素晴らしいドライバーになるためのポテンシャルを持っている」
だがもうひとりのフェラーリのドライバーで、4度のチャンピオンについてはどうだろうか?
「ベッテルは2020年末に引退するだろう。彼はレッドブルには戻れない。というのも彼はマックス・フェルスタッペンに叩きのめされてしまうからだ」
「しかしながら、もしメルセデスがF1に留まると決断すれば、ベッテルがそこへ行くかもしれない。ルイスを失うことへの残念賞だろう」
ハミルトンとウォルフが2021年にフェラーリへ移籍するというセオリーは、起こりそうにもないように見えるかもしれない。しかしジョーダンは今もF1パドックに深い繋がりを持っている。これ以外に過去に彼が思いついた大胆でおもしろいセオリーは、厄介なほどに正確なのだ……。
