■3位 シャルル・ルクレール/フェラーリ(FIAランキング4位)

2000年代王者たちとくらべてまだ2年目の彼が際立っていたのは、落ち着いた態度と言動、芯の強さを秘めた振舞いだろう。シーズン当初にチームから“セカンド扱い”されるのを受け入れ、コース上で速さを示すことで周囲の見方を変えていった。
19年のハイライトであるフェルスタッペンとの勝負を振り返ると、第9戦オーストリアGP終盤の3コーナーできわどくも彼にしてやられた。この雪辱を果たす場が日本GP、スタート直後のあの2コーナーだった――。これを書いている23日『2024年までの長期契約』が発表された。フェラーリは5年後までエースの座をルクレールに託した。
■2位 マックス・フェルスタッペン/レッドブル・ホンダ(FIAランキング3位)

ナチュラルなスピードとアグレッシブなバトル、武闘派らしい闘いで3勝+2PP+278ポイントの自己最高戦果を挙げた。レッドブルの『ビッグ・エース』はこの戦果にけして満足していない。2020年シーズンこそ開幕ダッシュを可能にするシャシーとパワーユニット(PU/エンジン)をと、いまから声高に望んでいる。
フカヨミするなら“パフォーマンス条項”を担保するのか、「20年途中時点で万一満たされなければ?……」とも思えてしまう。22歳で『ビッグ・エース』に昇りつめたマックス、しゃれではないがテッペン王者になることしか頭にない(どこのチームであろうと)。
■1位 ルイス・ハミルトン/メルセデス(FIAランキング1位)

これまでの採点で☆がつかないレースはなかった。全戦入賞・パーフェクト周回記録は素晴らしい。<チェッカー優先主義>をさらに高めたハミルトンだからこそ五冠から六冠をきわめた。
PPは少なくても勝ち上がるレース・マネージメントは亡きニキ・ラウダ(70年代フェラーリ)のようであった。個人的に“2019タイプ・ハミルトン”を強く感じたのは、セルフ・マーケティング意識だ。F1レーサーでありながらあらゆる分野に関心を抱き、触発され、PR活動しようとしている。ここまでやり遂げたからいつヘルメットを脱いでもいいのだろうか。1年後のハミルトンを想像しながら後編を閉じよう。
PS 今シーズンもご愛読ありがとう。よいお年を、2020年シーズンを期待しましょう。