すでにクビカの元にはいくつかのオファーが届いているということだが、クビカ自身が「何をどうしたいかを、よく考えて」決断したいと語る。
「もちろん、レベルの高いプロフェッショナルな領域でサーキットにカムバックすることを楽しみにしている。けれど同時に、僕自身の物理的な限界についても冷静に考える必要がある」
2011年にシュコダ・ファビアS2000を貫いたガードレールにより、右手首に致命傷を負ったクビカだが、懸命の治療とリハビリにより大きく機能を回復した。それでも、まだ可動域が完全に回復するには至っていない。

今季は、元WRCのライバルとして競い合ったマーティン・プロコップの運営するチームで、メルセデスSLS GT3をドライブしてムジェロ12時間耐久に参戦し、事故以来初のサーキット・レースに復帰。先日には、ルノー・スポール・トロフィーのワンメイクカップにゲスト参戦し、表彰台も獲得している。
クビカはコルシカ島で何人かのWRCチーム関係者と会ったが、同時にこの3年間のWRC活動を通じていくつかの「心残り」もある、と認めた。

「(ラリー参戦の)機会を失うと、いくつかの領域において残念な気持ちが残ったままになる。ここまでのラリーの経験の中で、僕はたぶん“何か間違ったこと”をしていたんだろう」
「ラリーを戦うなかで、僕は多分いくつかの判断をサーキット・ドライバーとしての考え方で下していた。だから僕は自分自身を、ラリーストとして十分に信頼できないままだった」
「もし自分にWRC(へのチャンス)がなくなった時は、サーキットに戻るだろう」
