2020年F1ではテクニカルレギュレーションに大きな変化がないこともあり、外見上、マシンのデザインに大きな違いは見られない。しかし、リヤがよりタイトになり、ミラー形状やエアボックスに配置されたバイキングウイングといった細かい変更が行われている。
ビノット代表は、このマシンは2019年型SF90の進化型であると認める一方で、すべてのエリアを改良したと述べている。
「レギュレーションが昨年とほぼ同じなので、マシンを完全に変えるというのは難しい」とビノットは語った。
「スタート地点は昨年型SF90だが、すべてのコンセプトを限界まで押し進めようとした。空力パフォーマンス、ダウンフォースレベルの最大化を図っている。よりスリムなボディシェイプを実現することを狙って、マシン全体、つまりモノコック、パワーユニット・レイアウト、ギヤボックスのパッケージングを行った。それは一目瞭然だと思う」
昨年型SF90には、ライバルたちに比べてダウンフォースが少ないという弱点があった。そういった弱みを改善し、全体的なパフォーマンスを向上させるため、フェラーリは『SF1000』の開発に際し、あらゆるエリアの見直しを行ったという。

「あらゆるコンポーネントの改善に取り組んできた。たとえばサスペンションは、フレキシビリティを高めることを考慮してデザインされた。ドライバーごと、サーキットごとに最適なセットアップを採用できるようにすることが狙いだ」
「また、今年も軽量化に力を注いだ。パワーユニットに関しては、パッケージングの面だけでなく、各コンポーネントの見直しを行っている。オイル消費量が50パーセント削減されるという、技術規則の変化に対応した」
「昨年型に似ているように見えるかもしれないが、昨年とは全くの別物だ。多数のコンセプトを思い切った形で採用した」