Mineoki Yoneya

 午後になると何台ものマシンがフルレースシミュレーションを行って6日間の開幕前テストの総仕上げに掛かり始めたが、レッドブルのアルボンだけは3〜5周の短いランを繰り返し、新パッケージのデータを取り続けた。

 強風の影響でドライバーのフィーリングだけで善し悪しを判断するのは難しく、あとは夜の間のデータ解析の結果を待つことになるが、限られた安定条件下での走行からは良好な手応えが得られているという。

「今日は風が強かったからフィーリングだけで語るのは難しいし、テスト条件としては楽なコンディションではなかったからね。新旧比較をするのは簡単ではなかったよ。これからデータを見なければならないけど、基本的にこのマシンはどんなコンディションでもフィーリングが良いよ」(アルボン)

2020年F1第2回バルセロナテスト2日目 アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

 先週の段階ではまだメルセデスAMGとはやや大きなタイム差があった。特にメルセデスAMGが強く、レッドブルが課題としていた中低速コーナーの多いセクター3での差が大きかったが、それは改善の糸口が見えているとテクニカルディレクターのピエール・ワシェは語る。

「マシンのスタビリティは良くなっているし、先週と昨日起きたサスペンションの問題も解決できた。そして空力アップデートも入念にデータ収集に専念し、これからその性能を引き出すセットアップを見付け出すところだ」

「セクター3では確かに遅れを取っているけど、我々はまだC3で2回走っただけに過ぎない。柔らかいタイヤを履けばメカニカルグリップが高く、セクター3の差は縮まることになる」

 果たして昨年までのレッドブルの課題であったコーナー入口でのスタビリティ不足と中低速域・中高速域の空力性能はしっかりと強化されているのだろうか。それはまさに本来のRB16の姿であるこの開幕戦仕様の空力パッケージをきちんと使いこなせるかどうかに掛かっている。

 最終日に予選・レースシミュレーションを行うかどうかはまだはっきりしていない。2日目のデータが不充分であれば、見かけ上のタイムを記録することよりも、実戦でしっかりと使いこなすためのさらなる準備作業に充てる方をレッドブルは優先することになる。

 果たして、テスト最終日にレッドブルがRB16の速さを限界まで引き出してくるのか、それともそれは開幕戦メルボルンまでお預けになるのか。いずれにしてもテストの残り2日となったこのタイミングで、レッドブル・ホンダが大きな一歩を進めたことは間違いなさそうだ。

2020年F1第2回バルセロナテスト2日目 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

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