Q1からトップ10に入ることが簡単ではない状況の中で、なんとか2台そろってQ2に進出したレッドブル・ホンダだが、Q2ではアルボンがQ3進出を賭けた最後のアタックのアウトラップでフェラーリに引っかかってタイヤを十分に温めることができず、自己ベストを更新できず、約コンマ2秒差でQ3へ進出することができなかった。
4番手でQ2をクリアしたフェルスタッペンにも、Q3では厳しい戦いが待っていた。上位勢がQ2までにソフトタイヤを温存していたのに対して、フェルスタッペンはQ3で使用できる新品のソフトタイヤが1セットしか残っていなかった。そのため、この日のレッドブル・ホンダには新品のソフトタイヤを2セット残してQ3に進出したメルセデスとレーシングポイントに対抗できる力は残っていなかった。
そうなると、残された戦いは、5番手を巡るフェラーリ勢、マクラーレン勢との争いだった。彼らもまたQ3で使用できる新品のソフトタイヤは1セットしかなかったからだ。

通常であれば、セッションの後半の方が路面コンディションが良くなるため、新品タイヤでのアタックはセッションの後半に温存するのが常套手段となるが、この日のハンガロリンクはいつ雨が本降りになってもおかしくない空模様だったため、チームは1回目のアタックに新品タイヤを投入。これはマクラーレンも同じだった。
Q3の1回目のアタックを終えた時点で、フェルスタッペンは4番手。これに対して、フェラーリは1回目のアタックで中古のソフトを履き、新品は最後のアタックに温存するギャンブルに出た。
果たして、雨は降らず、フェラーリが路面コンディションが良くなったセッション終盤にフェルスタッペンのタイムを相次いで上回る。中古タイヤで最後のアタックを行ったフェルスタッペンは、自己ベストの1分14秒817に迫る1分14秒863を叩き出す懸命な走りを披露するが、1回目のアタックでトラックリミットによるタイム抹消となっていたセルジオ・ペレス(レーシングポイント)にも抜かれ、結局7番手に終わった。
予選で7番手と13番手に終わったレッドブル・ホンダ。それでも、フェルスタッペンは「7番手というポジションからスタートするので、トラブルを避け、少しでも多くのポイントを獲得したい」とレースに向け、あきらめない姿勢を見せていた。

