投稿日: 2020.07.22 18:02
更新日: 2020.07.23 11:09
更新日: 2020.07.23 11:09
フェルスタッペンのスタート直前の窮地。かつてはバリチェロもハミルトンも……【F1記憶に残る逆転劇(1)】
Masahiro Owari
▼2011年 第3戦中国GP ルイス・ハミルトン(マクラーレン)
ダミーグリッドへ向かおうとしていたハミルトンのマシンにトラブルが発生したのは、スタート30分前のことだった。エンジンを始動したとき減圧バルブが作動して燃料が漏れ出てしまい、周辺機器を汚してしまった。
急きょ、メカニックはカウルを外し、各部品をバラして周辺機器を洗浄するが、ピットレーン出口閉鎖時間までにすべての作業が終わりそうもない。そこでレースエンジニアは作業途中で、ハミルトンをコースに送り出す決断を下す。エンジンカウルが外れたままのハミルトンのマシンがガレージを後にしたのは、閉鎖時間まで残り45秒。ピットレーン出口を通過したのは、残り30秒だった。
グリッドに戻ってきたものの、ハミルトンのマシンはセンサーやテレメトリー類のケーブルも一部未接続状態のままでレースに出られる完璧な状態とはなっておらず、グリッドに着き、ハミルトンがコクピットに収まってからも、メカニックたちによる懸命な準備作業は続いた。
なんとかフォーメーションラップのスタートまでに作業を終え、3番手からスタートしたハミルトンは絶妙なピットストップ作戦も功を奏して逆転優勝。
「どんな状況でも、われわれは勝利を目指す集団だという強い意志がある」と、当時チーフレースエンジニアを務めていたフィル・プルウは名門マクラーレンのメカニックたちの仕事ぶりを称賛した。
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