こうしたやりとりが金曜日にあったため、メルセデスのドライバーふたりに、ウォルフの将来についての質問が行われたわけだ。まず、ハミルトンがこう答えた。
「忘れてはいけないのは、僕たちのチームには非常に多くのスタッフがいるということだ。チームにはだいたい2000人のスタッフがいる。だから、そのなかのひとりの将来によって、僕がとどまるかどうかを決定することはないということだ」
「確かに僕たちは(ウォルフとともに)チームを構築し、成長させ、常勝集団にした。でもそれは個人によって成し遂げられたわけではない。僕は彼(ウォルフ)と一緒に仕事をするのが楽しいし、彼と交渉するのも楽しいので、彼が(チーム代表として)とどまることを願っている。トトには本当に感謝しているし、彼の決断を完全にサポートするつもりだ」

ボッタスにとってもウォルフは特別な存在だ。かつて自分のマネージャーを務め、F1への道を切り開き、メルセデスへと導いた人物だからだ。
「確かにトトはチームにとって非常に重要な人物だが、ルイスが言ったように、すべてがひとりの人物によって成し遂げられたわけではなく、チーム全員の努力によって達成されたものだ。チームには非常に多くの重要なスタッフがいるから、彼がどんな決断を下しても、僕はそれを尊重し、彼の幸せを願っている。人生とは、自らの夢を追いかけるもので、それによって人々は幸せを得る」
「もちろん、彼が出て行くとしたら、それは残念なことだ。なぜなら、彼は僕にとってとても大切な人だから。でも正直、いまチーム内で何が起きているのかわからない」
ドイツのメディアは、ウォルフはチーム代表としては契約を更新せず、故ニキ・ラウダと同じように非常勤会長のような形でチームに残るのではないかと伝えている。あるいは来年からアストンマーティンとしてスタートを切るローレンス・ストロール率いるレーシングポイントへ移籍するという噂もある。
果たして、ウォルフはどんな決断を下すのか。

