更新日: 2020.09.07 23:33
表彰式では感無量。ガスリーの初勝利は「日本でレースをしているドライバーの大きな励み」/ホンダF1山本雅史MD会見
──そのうれしいアルファタウリ・ホンダとしての初優勝は、3年前までパートナーを組んでいたマクラーレンの追撃を抑え切った末の勝利でした。どんな気持ちでしたか。
山本MD:正直、マクラーレンに勝ったことはうれしいですが、私はマクラーレンと喧嘩したわけではないし、(アンドレアス・)ザイドル(マクラーレン代表)ともよく話す仲なので、表彰台の下でもお互いに“おめでとう”と健闘を称えあっていました。まあ、ホンダ全体としてはマクラーレンに負けたら悔しいと思う人のほうが多いでしょうから、勝ててよかったです。
──表彰台の下では、トスト代表とも話をしていましたね。
山本MD:『ホンダ・パワー!!』って、喜んでいました。
──日本はもうすぐ月曜日の朝を迎えますが、お祝いのメッセージは届いていますか。
山本MD:復帰後、初優勝したときと同じくらいのメッセージが届いています。その中には八郷(隆弘)社長からのものもあって、「アルファタウリ・ホンダとして勝ったことが本当にうれしい」と何度も祝福のメッセージを送っていただいています」
──今日はガスリーが素晴らしい走りを披露しました。
山本MD:今年のレースに賭けるガスリーの思いは半端じゃなかった。3月に開幕戦の予定だったオーストラリアGPでガスリーと話をしたとき、彼の身体がすごく引き締まっていたんです。
その後、オーストラリアGPは新型コロナの影響で中止なったわけですが、その日の夜に「僕は今年に懸けているんだ」とメッセージを送ってきて、昨年までとは違う思いでシーズンに臨んでいることが伝わってきました。その後、7月にF1が再開した後も、一戦ごと逞しくなっていました。
──アルファタウリも成長しましたね。
山本MD:ドライバーだけでなく、チームもいい仕事をしました。現在のモータースポーツはドライバーの力だけでは勝てない。いい戦略を立てて、レース展開を自分たちに有利になるように引き込んでいかないと勝てません。もちろん、ピットインした時点ではセーフティカーが導入されることは知る由もなかったわけですが、いい判断だっことは間違いありません。
──最後に日本のモータースポーツ界へ。
山本MD:ガスリーは2017年に日本でスーパーフォーミュラを戦っていたドライバーです。そんなドライバーがその後、F1へ羽ばたいて、表彰台の頂点に立ったという今回のレースは、SRS(鈴鹿サーキット・レーシングスクール)の生徒も含め、日本でレースしているドライバーたちにとっても、大きな励みになったという点で良かったと思います」