──アルボンの無線を聴いていると、赤旗からの再スタートでも温度が上がることをかなり気にしていました。アルボン側にも同様のトラブルが出る可能性はあったのですか?
田辺TD:まだ原因がわかっていないので、2台残ったPUにも出る可能性はありました。ですので赤旗からのスタンディングスタートは、勘弁してほしいという気持ちでしたね。フェルスタッペンのトラブルが、明らかにそのPUだけに出たものだとわかっていたら普通に再スタートを見ていられたと思うのですが、またスタンディングスタートか、と。
──それはフェルスタッペンが、スタートまでのフォーメーションラップの間に熱的な問題を抱えたからですか?
田辺TD:いや、それとは別です。フェルスタッペンに関しても、特異点はなかった。スタートでトラブルが出たために、同様の問題が起きるのを恐れた。それだけです。
──アルボンはその後のスタートで、2回とも出遅れていました。あれは、何かあったのでしょうか。
田辺TD:PU側に問題はありませんでした。

──偶然かもしれませんが、PUの同一モードが導入されたモンツァ以降、トラブルが続けて出ました。関連性はありますか?
田辺TD:ないです。
──アルボンは最後の12周でダニエル・リカルド(ルノー)を抜いて、表彰台に上がりました。田辺さんはそれを見ていて、前のルノーを抜けると思っていましたか。
田辺TD:そうですね……。難しいとは思っていました。でもアルボン自身ペース良く走れていましたし、このコースは抜きどころが少ないという下馬評でしたが、FIA-F2やFIA-F3を見ていても、さらにドライバーのコメントを聞いても、確かに抜きにくいけれども、ライン取りに自由度が高い。なので、いけるかなと思っていました。というか、「いってくれ」という思いでしたね。「ここまで来たら、表彰台を獲ってくれ」。そういう思いでした。
──対ルノーでも、パワー負けはしていなかった?
田辺TD:パッケージとして、ということです。長丁場のレースのなかで、タイヤコンディションも含めて、負けなかったということです。




