──一方のクビアトは、逆に予選から調子を上げていった印象です。
本橋CE:そうですね。クルマのバランスも良くなっていきました。車体セッティングの方向性は同じように進めていったのですが、予選後のふたりのコメントだと、結果的にずいぶん違った特性になってしまった。そこもちょっとよくわからないと、チーム側は言っていました。
──同じような車体セッティングだったのに、一方はバランスがおかしくなり、一方は改善したと。
本橋CE:そうですね。それで余計にわからなくなった。そこはしっかり解決しておかないと、また同じことが起きる可能性はありますから。
──パワーユニット(PU)で言うと、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に2戦連続トラブルが出ました。同じトラブルがアルファタウリ側にも起きうると、レース中は気になっていたのでは?
本橋CE:そうでした。まったく同じPUシステムですから、1台に起きたことは他の3台に波及する可能性はあると思ってました。ですのでいつも以上にデータをしっかりチェックしてました。
──特に赤旗中断後の再スタート時に気になったと、田辺豊治テクニカルディレクターは言っていました。
本橋CE:私もそうでしたね。しかも2回の再スタートでしたしね。マックスはスタート直前に症状が見つかりましたから、同じ状況で起きるんじゃないかとドキドキしていました。

──クビアトはここまで、なかなか結果の出せないレースが続きました。その意味でも、7位入賞は大きかったのではないでしょうか。
本橋CE:私もそう感じました。クルマ自体は戦闘力がありましたし、しっかり走らせてくれました。初めてのコースでクビアトがいろいろなことにトライしながら、勝ち獲った結果だと思います。うれしかったです。
──ガスリーもリタイアしていなければ、レースペースは悪くなかったはずですか?
本橋CE:なんとも言えないですね。初日フリー走行のロングランは速かったですが、そこから路面コンディションもだいぶ変わっていますしね。