──ファクトリーがすぐ近くにあるとはいえ、このサーキットの実走データはなかったと思います。にもかかわらず、初日から速さを発揮できました。初開催のサーキットへの準備という点では、満足できる週末だったのでは?
本橋CE:いや、見直すべき点は、PU側にもいろいろありました。初期のシミュレーション精度をもう少し上げる必要があると痛感しました。実際に走って、想定したものからどう変わっていくか。その事前予測がなかなか難しくて、1周ごとに細かいチューニンングを繰り返した感じでした。そこが初サーキットの難しさですが、今後もイモラ、アルガルベと続きますから、精度向上を図っていきます。
──ムジェロは縁石が平らで、トラックリミットの制限も緩かった。それもあって、ドライバーはいろいろな走行ラインを取っていたようです。そのあたりもシミュレーション精度という点で難しい部分でしたか?
本橋CE:そうです。特に予選でのガスリーは、アタック中に乗り方を変えたことが、最後のデプロイ切れに影響しました。クビアトも少しでもパフォーマンスを引き出そうと、いろんな走行ラインに挑戦していました。その都度、エネルギーマネージメントも対応しないといけない。フリー走行では、それが我々の主な仕事でした。
──そうするとガスリーが予選後のコメントで、「攻めすぎてエネルギーが切れた」と言ってたのは、そういうことだったのですね。
本橋CE:はい。乗り方を変えると、影響が出る。頑張ってタイムを出そうとしてくれていましたから。
──エンジン同一モードの影響もあったのでしょうか。
本橋CE:シーズン通してどう使うかには影響していますが、レースごとにパフォーマンスをどう引き出すかには、影響はありません。




