そのころ、チームメートのアレクサンダー・アルボンはスタート直後にタイヤにフラットスポットを作ったために、7周目にピットインを余儀なくされ、最後尾まで脱落。16周目にアルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトをオーバーテイクしようとして接触。クビアトはフロントウイングを失い、翌周ピットインした。
その後、アルボンの前に現れたのが、再びアルファタウリ勢。アルボンはピエール・ガスリーとも熱いバトルを展開するが、今度はオーバーテイクするまでには至らなかった。
アルボン:彼ら(アルファタウリ)は僕に対して、すごく厳しいよね
レッドブル・ホンダ:ピットインだ
アルボン:どうして?
レッドブル・ホンダ:パワーの問題だ。ピットインしたら、教える
レース後、クリスチャン・ホーナー代表は「ラジエターの水温が急上昇したためリタイアさせた」と説明した。

その後、別の2人のドライバーがトラブルに見舞われる。
エステバン・オコン:何かを失った。ブレーキが効かないし、ギヤも動かない
ノリス:パワーを失った。何かがおかしい。
マクラーレン:データをチェックしているから、そのまま走ってくれ
マクラーレン:デフォルト・ゼロ・スリーだ
ノリス:何も変わらない
ノリス:ピットインさせてくれ
マクラーレン:マルチH7、ポジション6で、そのまま走行してほしい
ノリス:でも、ペレスはピットインしたじゃないか。いったい、どういうプランで行くつもりなんだよ
マクラーレン:まだペレスが後ろにいる。1.5秒後方だ。
ノリス:ごめん、見えなかった。

26周目に異変を感じたノリスは、エンジニアの指示を受けながら、30周すぎまで走行を続ける。しかし、一向に改善しない状況に次第にイライラが募ってくる
ノリス:いまパワーをすごく失っている
マクラーレン:デフォルト・ゼロ・スリーで走ってくれ
ノリス:でも、全然直らないよ
マクラーレン:デフォルト・ゼロ・スリーで最後まで走ってくれ
ノリス:何も変わらないじゃないか
マクラーレン:いや、いいレースをしているよ。
マクラーレン:デフォルト・ゼロ・スリー。特に大切なコーナーの後はデフォルト・ゼロ・スリーで
ノリス:わかってるよ!!
異変が発生してから10周以上、トラブルと格闘しながら6番手を走行していたノリスだが、43周目にパワーユニットが息の根を止め、ノリスはコース脇にマシンを止めてリタイア。直後に、セーフティーカーが導入された。