今回レッドブルがこのテストを計画したのは、角田を今年中にF1のFP1に出場させ、スーパーライセンスさえ取得できれば2021年にアルファタウリからF1デビューさせたいと考えているからだ。まずはFP1に出場するために、角田はF1カーでの300km以上の走行をいう項目をクリアしなければならなかった。
このテストを前に、レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコからは、とにかく300km走行を達成することに集中しろと言われたという。
「(マルコからアドバイスは)それほどはなかったです」と角田。
「ただ、カーリンからスパでのユーロ・フォーミュラ・オープンに招待されて、走ってほしいと言われたので、ヘルムートに聞いたら、『ノー』と言われました。『F1に集中しろ』と言われたんです。アドバイスはありませんが、ただF1で今日300kmを走行距離を達成することに集中しろと言われました」
テストを前に、アルファタウリのチーム代表フランツ・トストは、角田をシーズン終盤バーレーンかアブダビでFP1に乗せたいとコメントした。
バーレーンではF2のレースが行われるため、両立するのは簡単ではないと、角田は予想している。

「バーレーンでF1のフリープラクティスに出場する場合、かなりタイトなスケジュールになりますね。両方のマシンに素早く適応する必要があります。F2とF1では大きな違いがあるので、チャレンジングな週末になるでしょう」
「バーレーンでフリープラクティス1で走れるか分からないですけど、もし走った場合は切り替えが必要なレースウイークになると思います。自分にとって大きなチャレンジになりますし、すべての経験を詰め込まなければいけないので、それに向けて大きな準備をしていきたいなと思います」
2021年にF1デビューを果たすためには、F2で好結果を出し、F1出場に必要なスーパーライセンス取得の条件を満たす必要がある。残された2大会4レースは大きなストレスの下で戦うことになるのではないかという問いに対し、現在ランキング3位の角田は「いいえ」と答え、目の前のことに集中して戦っていくだけで、ストレスが高まるとは感じていないと答えた。
「目標はシーズン最初に設定しました。今もそこからほとんど変わっていません。1月からそういう心構えで準備していたので、それについて大きなストレスを感じるということはないです。今は、F2でフリー走行、1コーナー、最初のブレーキングゾーンで自分が何をすべきかに集中するだけです。1セッション1セッション、1ラップ1ラップに集中する必要があります」

F1ドライバーになった後、最も楽しみにしているのは母国日本GPでファンの前で走ることだという。
「一番最近のF1ドライバーは小林可夢偉さんです。彼をテレビで見ていたのを覚えています。鈴鹿で表彰台に立ったのを見て、強い印象を受けました」
「来年F1で走るなら、日本のファンの前で鈴鹿をぜひ走りたい。日本のファンの前で走れたら、僕の人生のなかでも最高に楽しいレースになると思います」
