更新日: 2020.11.24 10:12
F1王者目指す角田裕毅「2021年に昇格し、日本のファンの期待に応えたい」ライセンス取得逃がせば帰国の予定
2019年、FIA-F3でランキング9位を獲得した後、角田は2020年にはカーリンからFIA-F2選手権に参戦した。
「F2は今までの人生のなかで最大のチャレンジでした」と角田は語る。
「でもF3シーズン開始時よりも強さを実感しながらシーズンスタートを迎えました。僕自身のペースはよかったですし、チームも優れていました」
F3参戦時にヨーロッパに移り住んだ角田は、F2シーズンスタート前に、レッドブルの本拠のある英国ミルトン・キーンズに引っ越したという。ヨーロッパに拠点を移したことについて角田は、大好物の日本食を食べられず、食事の面で苦労していると明かした。
「日本から移り住むのは簡単ではありませんでした。越してきた当初は食事で苦労しました。日本食が合っているので、ヨーロッパに来て食事が変わってしまい、日本食が恋しいんです」
「今シーズン、目標を達成したら、上等なお寿司を食べたいですね。そうやってお祝いしたいです。お祝いで食べるお寿司は格別です。まずまずな一年を送った後で食べるお寿司は普通の味ですが、いいニュースを受け取った後で食べると、違う味がします。それが同じお寿司であってもです。おいしいお寿司とラーメンを食べるために、頑張ります」
その目標と、いいニュースとは具体的に何かと聞かれ、角田は「ヘルムートから、今シーズン、いい仕事をしなければならないこと、スーパーライセンスを取得するためには(ランキング)5位を獲得する必要があることを、知らされています」と答えた。
「5位になったら、F1で走る資格を得られるのだそうです。それができなければ、また日本で走る必要があります」
「厳しい言葉でしたが、彼の言っていることに賛成です。もしもジョージ・ラッセル、ランド・ノリス、シャルル・ルクレールのように優れたドライバーなら、F2で走るのは1年で十分です。彼らは2年や3年を必要とはしませんでした」
現在ランキング3位の角田にとって、残り2大会4レースは非常に重要になる。
「毎レース、優れたパフォーマンスを発揮する必要があります。プレッシャーになりますが、そういう気持ちで戦うのは良いことです。今年は今のところ悪くはありませんが、今後何が起こるのかを見ていきましょう」
「僕の夢はF1世界チャンピオンになることです。F2で苦しんでいるようでは、難しいと思います。ランド・ノリスやジョージ・ラッセルのように、ルーキーシーズンにしっかり結果を出す必要があります」
角田がF1に参戦する場合、小林可夢偉以来の日本人F1ドライバーが誕生することになる。可夢偉は2009年終盤にトヨタからF1にデビュー、2010年から2012年にザウバーから、2014年にはケータハムからF1に参戦した。
「日本のファンは、(日本人の)ドライバーがF1に参戦するのを待っています。それはソーシャルメディアを見れば分かります」と角田は言う。
「日本からのプレッシャーを感じるとも言えますが、それは悪いプレッシャーではなく、いいプレッシャーです。彼らは日本人F1ドライバーを待ち望んでいます。それを達成するのに一番近くにいるひとりが僕なのです。彼らの望むことを実現したいですね」
角田は、F1の終盤3戦、バーレーンGP、サクヒールGP、アブダビGPのどこかでFP1で走行した後、最終戦後のアブダビ若手ドライバーテストにも、アルファタウリから出場する見通しとなっている。