更新日: 2020.12.27 17:28
「車体開発とレース現場の運営が上昇気流に乗っている」2021年に向け弾みに/ホンダ本橋CEインタビュー(前編)
──すでにもう年末ですし、開発制限もありますから、2020年の力関係がそのまま2021年に移行するかなと漠然と思っています。となると、2021年もいい戦いができそうですか?
本橋CE:自分の担当するチーム以外の競争力ははっきり見えませんけど、パフォーマンスは間違いなく伸びています。ちょっとした出来事に、戦略も含めてどう対応できるか。車のパフォーマンス自体は上昇気流に乗っていると思いますので、そのまま来季に臨めるかなと。私自身は決して悲観的じゃなく、楽しみに2021年の開幕を待ってます。
──ちょっとしたことで大きく順位が変わる状況というのは、逆にいうとちょっとしたチャンスをガッチリ掴むと、モンツァのように勝てる可能性もあるということでしょうか?
本橋CE:そう思いますね。まあモンツァはいろんなことが起きすぎましたが(笑)、少なくとも中団のなかで上位に行ける実力はあると感じてます。
──今季のアルファタウリ『AT01』は、レッドブルから2019年型の足回りやリヤアクスルなどの提供を受けました。その影響がどれほどあったのかわかりませんが、レッドブルの『RB16』に比べて非常に挙動が安定していた印象です。来季もそのあたりの長所は、継続されると考えてもいい?
本橋CE:どうでしょう。なんとも言えませんが、シナジー効果というか、レッドブルとの協力関係が、もちろんホンダも含めてですが、良い方向に進んでいることは間違いないでしょうね。ただ空力はチーム独自の開発ですし、その辺の努力が身を結んだのだと思います。
──一方で中団グループのライバルは、2021年も強力でしょうね。
本橋CE:そう。強力でしょう(苦笑)。
──接近した戦いは、来季も続くと。
本橋CE:そう思いますね。もちろんみんな、中団という位置に満足しているわけではない。少しでも上にいこうと開発にしのぎを削っているわけで、ほんのちょっとの気の緩み、開発の遅れが、大きく結果に影響しますよね。すぐに置いていかれてしまう。
──数字的には、2019年の21戦で獲得したポイントより、17戦の2020年の方が獲得ポイントは多かった。にもかかわらず選手権順位は、去年の6位から7位へとひとつ落ちてしまった。それだけ厳しい競争を戦ったということなんですね。
本橋CE:そう思います。獲得ポイントがいくら多くても、戦っている我々からすると選手権順位がすべてです。今年の結果はチームも含めて、真摯に受け止めないといけない。ただ開発自体はいい流れなので、さらに弾みをつけて上を目指したいですね。最終戦後のミーティングでも、そんな話をしたばかりです。
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(後編に続く)