──新PUになるとやはり耐久信頼性が大きな課題かと思いますが、その部分の感触は?
田辺TD:まだ139周と111周というレベルですから、耐久信頼性というレベルでは何ともいえない。まだほんの一歩を踏み出したばかりですからね。ただマイナートラブル、何でこんなトラブルが出るの? みたいなものはありませんでした。その意味では、いい形で初日を走り切れました。
先ほど言ったように3日間で6000kmは走りきれないとはいえ、残り2日間でできるだけ距離を稼いで、その後はベンチでテストを重ねて、年間の耐久性の見通しを立てていければと思っています。
──燃料系のトラブルは、車体側の問題だったと思いますが、チームによれば少し前から出ていて、だましだまし走っていたような印象でした。そのまま続けるとPU側に問題が出る恐れがあって、走行を止めたのですか?
田辺TD:燃料を使うのはエンジンですからね。途切れてしまうような症状のまま走り続けても、よくない状況だった。燃料系というのは非常に複雑なシステムで、もし内部システムがトラブルの原因だったりすると、ガスバッグ(燃料タンク)交換も視野に入れて、ものすごく解決に時間がかかる。それできちんと解析して、明日以降に備えることにしたのだと思います。
──角田選手のテスト初日を、どんなふうに見ましたか。
田辺TD:徐々にペースを上げながら、着実に走れていると思いました。テスト中はモニターで実際の走りを見ているわけではないのですが、ラップタイムの動きとかを見ているといい感じかなと。ヒヤッとするような場面も、なかったんじゃないかと思います。非常にポジティブな初日だったかと。
──ルーキーで準備不足も当然あると思いますが、そういう姿勢を聞くと期待が膨らみます。
田辺TD:もちろん100%の準備はむずかしいと思いますが、アルファタウリが古いクルマまで持ち出して、新人ドライバーのためだけにあれだけの走り込みをしてくれた。今季F1デビューするルーキーのなかでは、かなりいい体制でシーズンに臨めると思います。
一方で角田くん自身の能力、マインド面も含めてですね、それが整っているからこそ、F3、F2から順調にF1に上がってこれた。その意味で期待はしてますが、過度の期待はせずに、アルファタウリの車体とPU性能を100%発揮してくれることを望んでいます。F2ではタイヤの使い方が非常に旨かったと聞いてますが、F1の異なるコンディション、彼にとっての未知のサーキットでどこまでできるか。そこもどんどん学んで、吸収して行ってほしいですね。学習能力は非常に高いですから、心配はしていません。





