──そんななか、2021年限りでのF1参戦終了が発表されました。
山本MD:コロナで会社の先行きがどうなるのかわからない状況で開発を止めたのも事実です。約3カ月くらい、開発のスタートが遅れて大変だったと思いますが、そんななかで彼(浅木)が「やり切れる」と言ってくれたのも頼もしいし、実際プレシーズンテストでもほぼ想定していた通りのテストができました。
──山本さんはテスト前に「今シーズンはホンダとしては最後の年となる。第2期には16戦15勝を実現して、みなさまにも語り継いでいただいていますが、最後の年となる今年もすごかったねと言ってもらえるような記憶に残るシーズンにしたい」と言っていましたね。
山本MD:あれはね、16戦15勝っていうのはいまもみんなの記憶にあるでしょうということを言いたかったんです。そのような記憶に残るレースをして、ファンのみなさまに「2021年のホンダって、すごかったよね」と言ってもらいたいと、ひとつの例として言っただけ。23戦22勝できると思っていないし、世の中そんなに甘くない。あの時セナとプロストが16戦15勝したことは、いまでもみんなが覚えている。そういった記憶に残る、ホンダといえば88年もあるけど、2021年もすごかったねと言われるような記憶に残るシーズンにして、終わりたいという意味です。

──レッドブルとアルファタウリからは、ホンダに対して、どんなシーズンにしたいかというメッセージはありますか。
山本MD:クリスチャン(・ホーナー/レッドブルのチーム代表)からは「チャンピオンシップを獲りにいこう」と言われています。そして「それに向けて、我々(レッドブル)もRB16Bを頑張って作り上げていくから」と。アルファタウリからはフランツ(・トスト/チーム代表)に「セカンドグループのトップでシーズンを終えたい」と言われました。それを叶えられるようにホンダも努力していきたいです。
──ホンダの八郷隆弘社長から、シーズン開幕に向けて、どんな言葉がありましたか?
山本MD:もちろん八郷さんからは直接「今シーズンは何がなんでもやり切ってきてくれ」と言われていますし、田辺にもその話はしました。きっちり現場でやれることはすべて取りこぼしがないように、昨年の反省も踏まえてやっていきたいと思っています。



