更新日: 2021.03.22 09:28
英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記/テスト編:実験であわやクラッシュ。学習に貪欲なマゼピン
3日間を通してみると、シューマッハーよりもマゼピンの方がスムーズに事が進んだといえるだろう。マゼピンは、トラブルで走行を長時間中断するようなことはなかった。
ただし、コース上であわやアクシデントという場面はあった。2日目、マゼピンはレースランを行いながら、学習を積んでいた。アントニオ・ジョビナッツィがターン1でマゼピンをオーバーテイクした時のことだ。マゼピンは他のマシンの後ろでダーティエアの中を走るとどういう感じになるのか知ろうとして、ジョビナッツィにぴったりついていった。
「(テストでは)走行時間が限られている。バーレーンGP決勝スタートで僕はたくさんのマシンの後ろを走ることになるだろうから、どれぐらいダウンフォースが抜けるのかを経験したかった」とマゼピンは語った。
「それを経験するためにやったんだ。もうちょっとでクラッシュするところだったよ。突然大きな風に見舞われてね。少し心配な瞬間だったが、やってみてよかったと思う」
それもすべて学習の過程だが、もし本当にクラッシュしていたら、チーム代表ギュンター・シュタイナーの不興を買うことになっただろう。だがマゼピンは一度も接触などを起こすことなく200周以上を走り切った。シューマッハーも180周以上を走り、シュタイナーは新人ふたりのテストでの仕事ぶりを高く評価している。
「ルーキーふたりを走らせたわけだが、それによる大きな影響はなかった。もっと大きな影響が出るものと予想していた」とシュタイナーは語った。
「たくさんの問題が発生すると思っていたが、ふたりはしっかり準備を整えてくれたし、フィードバックも優れていた。何か問題が発生したり、小さなミスがもっとたくさん出るだろうという予想に反して、彼らはしっかりと宿題をこなした」
ハースのマシンは開幕戦では最も遅いグループに入るかもしれない。だがドライバーふたりは プレシーズンテストを最大限に活用し、F1キャリアを力強い形でスタートさせたといっていいだろう。