メルセデスに在籍した3年間で1勝も上げられなかったシューマッハーだが、メドウズは、F1のレジェンドである彼が、復帰してからの数年間でチームをその後の優勝常連チームに押し上げた功績について強調した。
「我々が強くなることに彼がどれほど貢献してくれたのかを考えれば、間違いなく私にとっての痛恨事は、ミハエルの優勝が見られなかったことだ。あの時点で、彼は我々が一緒に働いてきたなかでも異なるレベルのドライバーだったのだから」とメドウズは述べた。
「我々全員が、心から彼に勝ってほしかった。だがそれは起きなかった。それから数年たって、我々は常勝チームとなった。それは彼のおかげでもある。いま我々が勝てているのは、我々をより良いチームにしてくれた彼の功績に負うところが大きい」

ボウルズは、後から振り返ったときに、年齢も勝利を妨げた要因のひとつだと考えている。F1での最終シーズンに臨んだ時点で、シューマッハーは43歳になっていた。
「あのころは気づかなかったが、彼をとてつもなく強いドライバーにした要素を、今我々も身につけている。一方で、彼は自分の弱点も分かっていた。彼はそれを受け止めて、改善に向けてつねに努力し続けていた」と、ボウルズは語った。
「ニコと比較したときに、彼の走り方にはいくつかの欠点があった。しかし、彼はそれらについて自覚的で、是正するためにできることをやっていた」
「しかし実際には、その一部は彼自身ではどうすることもできない年齢という要因だった。あのとき彼も、もう潮時だと感じたのだと思う」
「心から彼に勝ってほしかった。そうすれば、最後の1年が彼にとって素晴らしい年になっていただろう」

