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投稿日: 2021.04.28 08:58
更新日: 2021.04.28 09:03

英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:メルセデスに慣れてしまったマゼピンの課題。大きな試練を乗り越えたシューマッハー


F1 | 英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:メルセデスに慣れてしまったマゼピンの課題。大きな試練を乗り越えたシューマッハー

 土曜日、マゼピンは順調に走行したが、ひとつだけ他のドライバーとの間でインシデントが起きた。予選Q1最後のラップにおいてターン1に向かうところで、マゼピンはアントニオ・ジョビナツィを追い越したのだ。つまり、アタックラップの直前に追い越しをしないという紳士協定を2戦連続で破ったわけだが、結果はQ1どまりだった。

 マゼピンは、FP1でクラッシュした後、リセットする必要があり、予選までに十分な学習を積むことができなかったと明かしている。一方のシューマッハーの方は、順調な週末を過ごしており、Q2に進むチャンスをうかがっていたが、0.4秒差でQ1落ちを喫した。とはいえ、自信を持って走れる状態でなければいいタイムを出せない、難しいイモラで、ルーキーにしてははまずまずの予選を走ったといえるだろう。

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP ミック・シューマッハー(ハース)
2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP ミック・シューマッハー(ハース)

 決勝では大きなチャレンジがふたりを待ち受けていた。マゼピンはオープニングラップでニコラス・ラティフィのスピンに巻き込まれた。このインシデントにおいてマゼピンには全く非はなく、ラティフィは他のマシンが巻き込まれていたことに気付いてもいなかった。マゼピンはこのインシデントによっていったん最後尾に落ちることになった。

 続いてシューマッハーにアクシデントが起きた。ラティフィのウイリアムズを撤去するためのセーフティカー出動中に、ピット入口でクラッシュし、フロントウイングを壊してしまったのだ。走行を続けることはできたものの、彼のマシンのデブリを取り除くためにピットレーンがクローズされたため、2周にわたって壊れたノーズで走り続けなければならなかった。

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP クラッシュでウイングを失ったミック・シューマッハー(ハース)
2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP クラッシュでウイングを失ったミック・シューマッハー(ハース)

 無線でチームに平謝りをするシューマッハーは明らかに動揺していたが、その時の彼のレースエンジニア、ゲイリー・ギャノンの対応が素晴らしかった。シューマッハーが落ち着きを取り戻せるよう、ダメージの心配はしなくていい、ゆっくりピットに戻っておいで、と静かに声をかけ続けた。ルーキーからプレッシャーを取り除く、完璧な対応で、その無線を聞いた多数の人々が、彼にライフコーチングを頼みたいと言い出すほどだった。

 元々後方を走行していたシューマッハーだが、この大きなミスによって早い段階でブルーフラッグを受けることになり、自分のペースで走り続けるチャンスを失った。しかし途中、赤旗が出たために、リスタート後には全車が固まって走ることになり、ハースのふたりはトリッキーなコンディションにおいて経験を積む貴重な機会を得た。

 マゼピンは一度スピンしたものの、マシンにダメージはなく、2台は揃ってチェッカーフラッグを受け、この極めて過酷な一日を終えた。ドライバーふたりが今後の向上に役立つたくさんのことを学んだという意味で、シュタイナー代表にとってもポジティブな一戦といえるだろう。シューマッハーは、サーキットによっては他のチームとバトルをすることができそうだ。マゼピンもミスを減らしつつある。

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP ミック・シューマッハー(ハース)
2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP ミック・シューマッハー(ハース)


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