──角田選手はちょっと苦しい展開の週末でしたが、チーム内の雰囲気はいかがですか?
本橋CE:特に変わっていないですよ。このところ結果が出ていなくて、本人もちょっと元気がないかなという感じでしたけど、でも各セッション後にはエンジニアにしっかりフィードバックしてくれていました。その都度気持ちも切り替えて、前向きにやってくれていると思っています。もちろん結果が出ていないので、さっき言ったようにやや元気がないのですが、フィードバックは今まで同様レベルの高いものです。
──日本語でやりとりすることで、細かいニュアンスの伝達も期待できると、開幕前に言っていました。
本橋CE:そこはまさに、期待通りです。失敗したことだけでなく、うまくいった部分についても、「ここはさらにこんなふうに」という感じで、前向きに建設的な話し合いができていますね。

──逆にチームとは、英語でのやりとりということもあって、細かいニュアンスが伝わりにくかったりしますか?
本橋CE:走っている最中の無線では、伝えにくい部分はある程度はあるかもしれません。でもそのあとのミーティングや担当エンジニアとの話し合いは、横で聴いていてもきちんとお互い言い合って、理解し合っていると思います。言葉の壁のようなものは、感じていない印象です。
──私たち第三者は断片的な無線のやり取りしか聞いていないために、角田選手が四六時中カッとなっていて、それをエンジニアがなだめていると思いがちです。そこは実態とは、ちょっと違うということですか。
本橋CE:まったくそうですね。本人も無線ではつい感情的になってしまうと言っていますが、感情的になっても然るべきかなという観点もあっていいと思います。本気で真剣に取り組んでるわけですから。おっしゃるように断片的な部分だけ取り上げられがちですが、クルマについてのコミュニケーションはしっかり取れていますよ。もちろん経験豊富なガスリーに比べれば、フィードバックの量だったり、観点は違うかもしれない。でもチームエンジニア、ホンダエンジニアの話をきちんと聴いて、次のセッションで活かそうという姿勢は一貫してます。

──次のモナコはまったく違うサーキットになりますが、中団グループの力関係はまた違った様相を見せるかもしれない?
本橋CE:特殊なサーキットですからね。純粋なパフォーマンスだけでなく、戦略的な部分も大きく影響するし、特別な対応が要求される。その意味で、違う結果が出るかもしれません。
──モナコならではというか、パワーユニット面でモナコで貢献できる部分もありますか?
本橋CE:はい。典型的な低速コースですし、ホンダPUの強みと考えているドライバビリティですね。これまでの4戦でかなりチューニングも進んでいますし、モナコという特殊なコースに向けて対応しようと思っています。
──角田選手は初めてのモナコで苦労しそうですか。
本橋CE:モナコですからね。僕はドライバーではありませんが、やっぱり難しいコースだと思います。ただ初めてのコースにはいつも心配よりもワクワク感を持って臨んでくれていますし、もちろん無理は禁物ですが、楽しんで走ってほしいと思います。


