──ドライバビリティに限れば、メルセデスよりホンダの方が優れているなど、単純比較は可能なのでしょうか。それとも車体との兼ね合いなので、一概に言えないのでしょうか。
田辺TD:ひとりのドライバーがメルセデスとレッドブル・ホンダを乗り比べれば明確に言えるでしょうが、そういうわけにもいかない。ただ(昨年までメルセデス製パワーユニットを使用していた)セルジオ・ペレス選手からのインプットで、我々の改善すべきところはわかってきています。
もちろんそれは、車体との組み合わせで出てくるところはあるのですが、ほかの3人からもドライバビリティ、コーナー立ち上がりでのトルクデリバリーについては、もう少しこうした方がいいという話は出ています。
それらへの対策案を持って、初日の走行に臨もうとしています。なので(ドライバビリティに関して)ホンダが格段にいいとか、逆にボロボロとか、それは言えないですね。
──田辺TDにとって、モナコGPはとりわけ思い入れのあるレースですか。
田辺TD:モナコという町の特別さ、ある意味かけ離れた世界ですから特別感はありますね。それとホンダF1第2期ではアイルトン・セナと数々の優勝を分かち合ってきた。なかでも1992年は、ナイジェル・マンセルとの死闘を制していますしね。そこは私のなかにも大きく残っていますし、全グランプリのなかでも、ひとつ特別なレースですね。
──一番忘れられないモナコGPは1992年だったと。
田辺TD:はい。ウイリアムズ・ルノーの戦闘力がどんどん高くなっていくなかで、セナが守り切って勝ってくれましたから。


