──『モナコの勝利は3勝分の価値がある』とよく言われますが、今日の勝利は何勝分でしたか?
田辺TD:そう言うのでしたら、3勝ですかね(笑)。選手権を戦ううえでは1勝であることは変わりません。いろんな意味での価値はあるのかもしれませんが、あくまで1勝です。
──シャルル・ルクレール(フェラーリ)の不参戦やバルテリ・ボッタス(メルセデス)のリタイアなど、幸運にも恵まれましたか?
田辺TD:それは確かにありますが、そういうことがなかったとしても同じ結果を出せていたかもしれない。逆にそれらの不運が、我々に襲いかかってきたかもしれなかったわけです。今回はすべてを味方につけて、いい形で回ったレースだったなと思います。
──外から見ると盤石のレースに見えましたが、実際に戦ってる側も、前戦のスペインGPのような緊迫した感じではなかったのでしょうか?
田辺TD:たとえばタイヤのタレ、エンジンの冷却、マシンの挙動、あらゆることが想定内でした。もちろん裏では、あれが起きたらどうするという話し合いもしていましたが、順調なレースでした。

──レース終盤にセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)を追っていたペレスに、「追いかけられるだけの燃料を残しておけ」という無線が入りました。モナコGPにしてはハイペースでしたし、セーフティカーが入らなかったこともあり、燃費はキツかったのでしょうか?
田辺TD:セーフティカー導入を想定した燃料搭載量で走行したわけですが、燃料消費を抑えるためにペースを落とすような走りもことさらできなかったので、それなりのキツさはありましたね。
──今季から投入した新世代パワーユニットのパフォーマンスと信頼性について、序盤5戦を終えての総括をお願いします。
田辺TD:今年は全23戦を3基のパワーユニット、2基のERS(エネルギー回生システム)で戦うわけですが、今のところは基本的に順調に進んでいます。モナコGP後もダメージやコンディションを確認し、次戦以降のレースへの割り振りを考えていきます。
──次戦のアゼルバイジャンGPも市街地レースですが、コース特性はまったく変わります。展望はいかがでしょうか。
田辺TD:低速区間については今回の経験が活きると思います。一方でストレートが非常に長い。低速と超高速の両方を持つという飛び抜けた特徴がある市街地コースですので、両者のバランスをしっかりと設定して臨みたいと思っています。


