取材・まとめ 柴田久仁夫

 グリッド上ではスタート直前の最後の確認作業が、慌ただしく続いていた。

ガスリー:フロントタイヤが黄線の内側かどうか確認してくれ。グリッド降格にならないように
アムラン:ほんの少し前だね

 前戦スペインGPでグリッドラインを越えた状態で停止してしまい、5秒ペナルティを受けたことがいまだにトラウマになっているようだ。

 フェルスタッペンはスタートで首位をキープし、最速タイムを更新し続けていく。7番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)には、すでに序盤から諦めムードが漂っていた。

2021年F1第5戦モナコGP スタートシーン
2021年F1第5戦モナコGP スタートシーン

ピーター・ボニントン:フェルスタッペンは16秒9だ
ハミルトン:ついていくのは厳しいね

 今季絶好調のランド・ノリス(マクラーレン)はモナコでも予選5番手、そしてレースは4番手を快走した。しかし担当エンジニアのウィリアム・ジョゼフから、序盤20周目前後に早くもこんな注意が飛んだ。

ジョゼフ:ランド、ターン10でもう2ストライクだ。もう1回で黒白旗だ

 モナコのトラックリミットは、トンネルを抜けた先にあるヌーベルシケインのターン10。そこでノリスはすでに2回はみ出していると、ジョゼフが注意を促したのだ。それにしてもふたりともイギリス人でベースボールにあまり縁がないはずなのに、「2ストライク」という野球用語でやりとりしているのにはビックリだった。

 一方でマクラーレン移籍1年目のダニエル・リカルドは、大得意なはずのモナコでも依然として元気がない。11番手からスタートしたが、直後にランス・ストロール(アストンマーティン)、キミ・ライコネン(アルファロメオ)にかわされ、13番手に後退した。

ダニエル・リカルド(マクラーレン)
2021年F1第5戦モナコGP スタート直後のダニエル・リカルド(マクラーレン)

トム・スタラード:ポイント圏内に入るにはライコネンを攻めるしかない
リカルド:了解した。しかしタイヤがきつい
スタラード:このペースで行ってくれ

 ライコネンとの差を2秒まで縮めていたリカルドだったが、20周目以降ペースが落ち、逆にギャップは広がっていった。

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