一方、マゼピンは終始堅実な走りをしていた。スムーズに週末を過ごし、ペースも強力だった。何度もシューマッハー以上の速さを見せ、何より大事なことに、マゼピンはミスをしなかった。
たとえば、決勝オープニングラップのヘアピンで、シューマッハーがマゼピンをオーバーテイクした時のことだ。マゼピンは少しだけ抵抗したものの、やりすぎることはなく、そのおかげで2台は接触することなくコーナーを抜けていくことができた。その後、マゼピンはシューマッハーの後ろを走り続けた。

ピットストップの前に、シューマッハーのマシンに燃料のピックアップの問題が発生し、ペースが落ちたため、マゼピンが前を走ることになった。2台は順調に走り続け、チェッカーフラッグを受けた。シューマッハーはトラブルによってポジションを落とした不運を嘆いていただろう。一方で、チーム代表のアドバイスに従ったマゼピンは、ポジティブな結果に値するレースをしたといえる。

ふたりのドライバーにとって、大きな意味を持つ週末になった。シューマッハーはチームを失望させるという、痛みを伴う形で、貴重な教訓を得た。マゼピンは今シーズンここまでで最も快適に走り、強さを発揮した。
次はアゼルバイジャンGPだ。ふたりはモナコでの教訓を生かして、バクーに挑まなければならない。次もまた難しい週末になるだろう。