──角田は、クラッシュ後にギヤが入らずピットに戻れなかったわけですが、ギヤボックスへのダメージなどはないのでしょうか?
田辺TD:まだ本人(角田)にも会えていなくて、チームからの情報も受け取っていないので、そこはわからないです。
──初日より風のコンディションはよかったようですが、それも好結果に影響したのでしょうか? 初日は高速のセクター2で、ラップタイムはチーム別で4番手くらいでしたが。
田辺TD:初日のような突風は少なかったですね。それによって安定して走れたということはあります。初日のデータを見直して、いいところは伸ばす、劣っているところは改善する。それはパワーユニット側も同様で、その対応を取ったことが功を奏したと思っています。セクター2の長い直線についても、もちろん対応しました。
──そのセクター2でフェルスタッペンが予選最速、セクター3の最高速もトップでした。ドライバーふたりも「うちには素晴らしいエンジンがある」「ホンダはいい仕事をしている」と絶賛したり、一方でルイス・ハミルトンが「セクター2ではホンダにかなわなかった」と言っています。それらのコメントはどう感じていますか?
田辺TD:ポールポジションを獲っていますので、セクタータイム最速についても特に驚くことではないです。ポールポジション獲得は、言うまでもなくみんなの努力の結果であり、ホンダだけが頑張ったわけではない。ハミルトンがなんと言ったのかは把握していませんが、ホンダに勝てないという言い方は間違っていますね。レッドブル・ホンダに勝てないというのならわかりますが。
──一般論として、新品エンジンと5~6戦使ったエンジンとで、パワー差はどれくらい出るものなのでしょうか。ハミルトンも、ホンダは今回フレッシュエンジンを投入したからという言い方をしていましたが。
田辺TD:はっきりと答えるのは難しいのですが、たとえば昔、予選一発だけを想定したエンジン、あるいはレースの300kmだけ保てばいいエンジンを作っていた頃に比べると、パワー差はまったくないと言っていい範囲です。その意味ではハミルトンのコメントは驚きです。逆にメルセデスは新品と中古でそんなにパワー差があるのか知りたいぐらいです。



