──2年前のフランスGPではスペック3を投入しながら、デプロイ切れなどに手こずりました。
本橋CE:はい。確かにライバルと比較した相対的な戦闘力では、まだまだ届かなかった。ただ一歩一歩の積み重ねや、チームの理解を得ての投入だったりを経て、今の我々があるわけで、あの時のスペック3が失敗だったとか、そういうわけではありません。今の僕らを作ってくれた一部だったんだなと。
──パワーユニット単体の比較は難しいと思いますが、今のホンダ製PUは4メーカーのなかでトップの実力があると思いますか?
本橋CE:確実にトップだとは、まだ思っていません。メルセデスやフェラーリと互角に戦える、そしてすべてが噛み合ったときには、レッドブル・ホンダはメルセデスに勝てる、そこまでは行けている。肩を並べて戦えるところまで来ているとは思っています。
──今週末の角田選手の戦いぶりは、どんなふうに見ましたか。
本橋CE:予選に関しては、FP3後にセットアップを大きく変えたこともあって、残念な結果になってしまいました。ただガスリーは対応できているわけで、そこも学びのひとつだったと思います。一方でレースはピットレーンスタートでしたが、しっかりオーバーテイクしてくれたし、タイヤマネージメントもできている。予選は残念でしたが、ここまでの7戦で多くを吸収してくれているはずです。もうちょっと落ち着いてとは思いますけど、学ぶなかでは失敗することも必要なのかもしれません。
──予選Q1の走りは、必ずしも全開アタックではなかったのですか?
本橋CE:そうはいっても予選ですから、通常よりは気合は入っていたと思います。ただクルマの特性が大きく変わったのも、要因としてはある気がします。FP3でもマシンバランスがもうひとつだったので、予選に向けてセットアップを見直しました。あと風もあって、バランスが変わった部分はあるでしょうね。


