──パドックでは、「ホンダの2基目は10kw上がっている」などという噂が出ているようです。そのことに対してホンダ側は何か明確な答えは用意していますか?
田辺TD:特にしていません。直接聞かれていないですし、もし聞かれた場合でも、今の規約では今季使用するパワーユニットはすべて年初の時点でホモロゲーションを提出しています。その後は信頼性の問題に関わるものだけはFIAに申請を出し、全メーカーの承認が得られて、初めて対応できることになっています。
その意味で言えば、今回のようなタイミングでパワーを上げることは不可能です。そこまで細かく、厳しい体制にしているかといえば、1基目から2基目、3基目への変更のときに、パワーを上げた例が昔あったじゃないかという指摘があったからです。それで今はプロの目で審査をして、そういうことがないように厳しく管理されています。
今季ここまで全メーカーからいろいろな改造申請が出ていますが、ひとつとして否認されたものはないです。全チームがきちんと規約に沿った運用をしているということです。噂が出ていることは承知していますが、我々としては、もともとそんなことはできませんし、していません。
──土曜日にはメーカー会議が開かれます。2025年以降のパワーユニットについてという議題なのでホンダは出席しませんが、アウディやポルシェが出席すると言われています。新たなメーカーがF1に参入する可能性、今後の情勢についてはどう考えていますか?
田辺TD:FIAをはじめ、F1関係者はメーカーの新規参入を望んでいます。そのなかでFIAが今後のパワーユニットのあり方についてOEMトップと話し、方向性をシェアする会議と捉えています。その意味では非常にいいことだと思っています。

