──ホンダパワーユニットの性能向上に関して、海外メディアの関心もかなり高いことが、金曜日会見でのやりとりを聴いていてもよく分かりました。
田辺TD:誤解といいますか、なかなか分かってもらえない部分があることを痛感しました。ただ改めて強調したいのは、現行パワーユニットについての技術レギュレーションは非常に厳格に決まっているということです。
ですので、このパーツを交換したら性能が向上すると分かり、誰かが裏でそうしようとしたら、すぐに不正が全員に明らかになるようになっています。そういう運営のされ方です。
全メーカーの変更申請は、FIAとメーカーでお互いのチェックを経てすべて承認されています。ホンダも出しています。それをすり抜けていたとしたら、かなり賢い。実際にはあり得ないと思います。
──会見では、使い方による性能向上についての質問もありました。
田辺TD:はい。2基目になって(パワーユニットの)様子も分かったので、「もう少しプッシュして使っているのではないか?」あるいは「新品のうちはガンガン使っているのでは?」という質問でした。これに関しては、オフシーズンから実際に使い始めて学んだことを、開幕戦から適用しています。さらに実戦で分かったことを上乗せしながらやってきています。
ということで話をまとめると、持っているものは1基目も2基目も変わりません。しかし、サーキットごとで最適化を進めることで、その精度は上がっているということです。
──全23戦を3基のパワーユニットで戦うというのも、いまさらですがかなりチャレンジングです。
田辺TD:(ホンダ)最終年でもありますし、心配だから最初は少し慎重にいこうかという戦い方はしていません。持てるものの最大限を出していこうと開幕からやっています。
どのサーキットでどれくらいの負荷が掛かるか、どこはパワー感度が高いか、そこをきちんと見てダメージコントロールを行い3基をやりくりしていきます。そこは昨年と変わらないです。


