──2年前は涙のシャンパンシャワーでしたが、今回はどんな風景が見えていましたか?
田辺TD:お客さんもたくさん入っていましたし、ただグランドスタンドは以前よりは少し空いていました。それでも観客の熱狂は十二分に伝わってきました。そんな雰囲気のなか、2年前を思い出しながら表彰台に立ちました。
前回に比べると、グランドスタンドを見渡す余裕もありました。でも感慨は深かったですね。見下ろすとみんながマックス(・フェルスタッペン)の優勝を祝っていたり、2位(バルテリ・)ボッタス、3位のノリスを祝福している光景が見えたり、それも嬉しく思いました。
──今季のパワー向上、パワーユニットの好調に関してはオイルメーカーの貢献も大きいと聞いています。
田辺TD:エクソンモービルとは密接な協力関係を築いていて、燃料、オイル双方で共同開発を続けています。今季はオイルのアップデートにもこぎつけました。改良には目的があり、パフォーマンスと信頼性の向上を目指すわけですが、今回は両分野でのレベルアップが見越せることが分かり、投入を決めました。
──次戦イギリスGPでのスプリント予選に向けて、パワーユニット側の対応はどんなものを考えていますか?
田辺TD:現行の技術レギュレーションでは、予選とレースで同じエンジンモードを使うことが決められています。イギリスではそのレギュレーションが初日の予選から導入されることになります。2日目のフリー走行2回目では再び違うモードで走れますが、午後のスプリント予選では同一モードになります。
ですので、実質的には初日のフリー走行1回目で最適なモードを決めないといけません。これまで以上に事前シミュレーションで精度を上げることが重要になると思います。そして1回目フリー走行で迅速に最適化を進めることですね。


